デカすぎるからって冷静にスゴくない!? 子エスティマ誕生したワケが衝撃

デカすぎるからって冷静にスゴくない!? 子エスティマ誕生したワケが衝撃

 今思えばさほどでもないが、初代エスティマは当時からすればデカかった。ユーザーからそういった声が多く、わざわざ少し小さなエスティマを出したほど。メーカー自らちょっと小さくしたモデルを作ったワケだが、これ神対応すぎないか!?

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

■超変化球なレイアウトが自慢!! 5ナンバーが当然だった時代に巨大ボディで話題に

日本ミニバン界の始祖 初代エスティマが起こした革命
初代エスティマは全幅1800mm超え!! 今でこそ一般的なサイズだが、当時は大きすぎたのだった

 90年代に入り、クルマの使われ方も多様化してきたタイミングで登場した初代エスティマ。日本ではまだミニバンという呼称が浸透していない時期であったこともあり、「高性能ニューコンセプトサルーン」と銘打って登場した。

 ニューコンセプトというだけあって、画期的なレイアウトを採っていた。

 場所を取るエンジンを床下に押し込み、全長の多くの室内空間に充てるという「アンダーフロアミッドシップ」というパッケージングを採用していたのだ。

 床下に収まる2.4Lエンジンはエスティマのために開発された専用のモノ。限られたスペースに収めるために右側に75度も傾け、補器類はエンジン本体を分離して搭載するという特殊なもの。

 一説には当初はコンパクトな2ストロークエンジンの「S-2エンジン」を搭載する予定であったが、排出ガスの問題で急遽通常のガソリンエンジンに切り替えたとも言われている。いずれにしても画期的なレイアウトを持っていたことには変わりはないだろう。

 そんな初代エスティマは元々北米市場を主戦場として考えられており、日本初披露の場となった1989年の東京モーターショーでも、左ハンドル仕様で現地名のプレビアとして展示されるほど。

 それだけにボディサイズも5ナンバーサイズが当たり前だった当時としては大柄で、全長は4750mm、全幅は1800mmとなっており、日本国内からは「大きすぎる」という声も少なからず挙がっていたのだった。

■ボディサイズを縮小し、5ナンバー枠に収めた派生車種をリリース

ユーザーの声に応えるべくコンパクトサイズのモデルを投入するほど本気だったのだ
ユーザーの声に応えるべくコンパクトサイズのモデルを投入するほど本気だったのだ

 トヨタとしても日本国内でエスティマは大きすぎる、という声が出ることはある程度予期していたのか、1992年1月にエスティマの画期的なミッドシップレイアウトやワンモーションフォルムは踏襲しつつ、全長を60mm、全幅を110mm縮小したエスティマ・ルシーダ(カローラ店)とエスティマ・エミーナ(トヨタ店)をリリースする。

 軽自動車をベースに普通車枠サイズに拡大した車両というのは過去に多く存在していたが、大柄のボディをコンパクトに縮小するというのは前代未聞。

 前後の意匠を巧みに変えることでアンバランスなルックスにならないように配慮するなど、この辺りの処理はさすがトヨタといったところ。

 エンジンはエスティマにも搭載されていた2.4Lガソリンエンジンのほか、2.2Lのディーゼルターボを新たに設定し、こちらは名実ともに5ナンバー登録となっていた。

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