R32GT-R、ロードスターら平成元年登場の偉大なクルマたち!! 楽しさは変わったのか?

■Z32フェアレディZ

日産・フェアレディZ

 日本車、そして日産のイメージアップに大きく貢献したのがフェアレディZだ。

 誕生から20年の節目となる平成元年の7月に4代目となるZ32型が登場する。

 ヨーロッパの一流スポーツカーに追いつき、さらに凌駕することをめざしたこの4代目は、最先端のメカニズムを意欲的に導入して走りのクオリティを飛躍的に高めた。

 もちろんルックスも新鮮だ。平成にふさわしいアスリート系のマッシブボディをまとい、Z独自の世界を表現している。

 メカニズムも進歩的だった。サスペンションは4輪とも革新的なマルチリンクで、これに4輪操舵のスーパーHICASを組み合わせた。キレのいいハンドリングと軽快なフットワークを身につけ、意のままに操ることができた。アルミキャリパーの対向2ピストンブレーキをおごるなど、ブレーキ性能も一級だった。

 エンジンは3LのVG30系V型6気筒DOHCだけに絞り込んでいる。NAエンジンもあるが、主役はパワフルなツインターボ。

 このZは北米だけでなく日本とヨーロッパでもファンを増やし、10年以上に渡って第一線で活躍している。

 フルオープンのコンバーチブルを復活させたのも、このZ32型フェアレディZだ。

■R32スカイラインGT-R

日産・R32型スカイラインGT-R

 メカニズムを一新し、ボディもコンパクト化して走りの実力を飛躍的に高めたのが、平成元年の5月に登場した8代目R32型スカイラインだった。

 日産社内の啓蒙プロジェクトである「901活動」の成果を生かし、サスペンションは4輪ともマルチリンクとした。

 また、リアには位相反転制御のスーパーHICASを採用し、痛快な走りを実現している。エンジンは2LのRB20DE系直列6気筒DOHCとハイフローセラミック/ボールベアリングターボが主役だった。

 トップモデルのGTS-tタイプMは刺激的な走りを見せた。

 そしてそのR32型スカイラインにおいて、同年8月に仲間へ加わったGT-Rは、2Lモデルのはるか上を行く異次元の走りを披露していた。

 この平成最初のGT-Rは2.6Lのセラミックツインターボを積み、加速も豪快だった。駆動方式はFRではなく電子制御トルクスプリット4WDのアテーサE-TSとした。

 時代を先取りした4WDシステムは驚異的なトラクション能力を見せ、公道でもサーキットでも群を抜いて速かった。

 グループAレースでも圧巻の速さを見せ、連勝街道を突っ走っている。

 R32スカイラインは商品としての魅力は飛び抜けて高く、買い得感も群を抜いていたが、その中でも特にこのR32型スカイラインGT-Rは、平成という時代を代表する寵児として、今も多くの人に語り継がれている。

■初代レガシィツーリングワゴン

富士重工(スバル)・初代レガシィツーリングワゴン

 レオーネからの脱却を図り、新しいクルマにスバルの未来を託そうと考えてスタートしたのがレガシィの開発プロジェクトだ。

 乗用4WDの世界を切り拓いたレオーネに代わるフルタイム4WDの高性能モデルとして企画され、「世界一よく走るクルマ」を目指した。

 そのためにシャシーや水平対向エンジンを新設計とし、新世代のスバルになって欲しいとの願いからレガシィ(大いなる伝承物)と命名している。

 エンジンは新設計の水平対向4気筒だ。

 セダンもあるが、主役は快適なキャビンに広い荷室を備えたツーリングワゴンであった。

 サスペンションは4輪ともストラットの4輪独立懸架で、時代の先端を行くエアサスペンション仕様も用意。4WDシステムは5速MT車と4速AT車で違う方式としている。

 同年秋にDOHCターボのGTを加えたツーリングワゴンは同モデルの販売台数を大きく伸ばし、4WDを採用したスポーツワゴンとしての名声を不動のものとした。以降、ご承知のとおり空前のワゴンブームを巻き起こして市場を席捲。トヨタ、日産、ホンダ、三菱、マツダと次々にライバル車を投入したが、レガシィはそのどのモデルよりも売れ続けた。

 北米市場でも大ブレイクし、クロスオーバー4WDワゴンのヒントを得ており、現在のスバル大躍進の礎を築いた。 攻めの姿勢で大成功し、スバルそのものの地位を大きく変えたのがこの年にデビューしたレガシィだった。

次ページは : ■平成という時代、日本のクルマ市場は進化したのか?

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