言われてみれば確かに謎!! モニターだらけのクルマって助手席エアバッグどうなってんの!?

■モニターあっても大丈夫!! エアバッグは超小型化に成功していた

中国車の一部は助手席にも専用モニターを設置。サブスクの動画サービスを楽しみながら移動できるのだ
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 さて、こうなると助手席エアバッグの取り付け位置が気になるが、ここまで引っ張っておいて何だが、そこに関しては心配は無い。

 助手席エアバッグは1987年9月に当時のSクラスのセダン/クーペにオプションとして設定されたが、そこからメルセデス・ベンツはサイド・エアバッグやニーエアバッグなど、シートベルトと併用することで万が一の際の乗員保護を高める施策を行ってきた。

 当時Sクラスの助手席エアバッグ容量は170Lで、バッグ自体を何折りにも重ね、ダッシュボードの中に格納していた。

 もちろんバッグだけでなく、衝撃が加わった際にバッグを点火させるインフレータ(ガス発生装置)などのデバイスを組み込む必要があったので助手席ダッシュボードの中はパンパン状態だった。

 ただ、ここから進化は始まり、助手席(だけではないが)エアバッグは小型化しつつ、従来以上の性能を発揮するようになる。

■インパネ上部に開口部、ホントに大丈夫なのか?

エアバッグが義務化された際にスカイラインGT-Rはスポーティとはいえないデザインのステアリングに。当時のエアバッグは今ほど小型化されていなかったのが最大の要因
エアバッグが義務化された際にスカイラインGT-Rはスポーティとはいえないデザインのステアリングに。当時のエアバッグは今ほど小型化されていなかったのが最大の要因

 今回のワイドディスプレイに限らず、ダッシュボード自体もクルマのデザインのひとつでである以上、昨今のクルマの助手席エアバッグの開口部は乗員に対して正面を向いているわけではない。

 良く言われるのが、ダッシュボード上部に開口部を設けたら乗員に向かってエアバッグがきちんと展開するのか、またフロントガラスに接触して二次被害が出るのではないか、という疑問だ。

 ただ、その辺はまさに技術革新。過去の助手席エアバッグはその容量自体に無駄な部分があったとも言われている。つまり乗員拘束のためにはそこまでの容量は無くても大丈夫という実験結果も出ている。

 2013年にトヨタの関連会社である豊田合成が開発した自立型助手席エアバッグは前述した無駄な容量を減らし、さらにエアバッグ自体の力で上方向(フロントガラス)に起き上がらず、乗員側にしっかり展開する技術を搭載している。

 これにより、総重量で約13%の軽量化を実現し、インパネの形状に影響されない乗員保護能力を得ているという。

 また国産車初となるエアバッグを開発したホンダも衝突速度やドライバーの体格に応じて展開速度や容量を可変させる「i-SRSエアバッグシステム(運転席、助手席共)」を開発し多くのモデルに搭載している。

 エアバッグ自体は性能はもちろん、コンパクト化、軽量化、そして低コストが求められる。大型ディスプレイが今後拡大するとしても、それに合わせた技術により進化していることは当然と言えるだろう。

 それよりもこの機会に見直して欲しいのはダッシュボード上部にぬいぐるみやグッズを置いているクルマ。万が一の際はそれが乗員に飛んでくることで乗員に対してさらなる傷害とエアバッグ自体が本来の性能を発揮できないことだ。少なくともエアバッグの開口部を塞ぐようなことだけは止めた方が良いだろう。

【画像ギャラリー】これからのクルマはモニターの嵐!? こんな内装が当然になる!?(5枚)画像ギャラリー

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