そろそろ夏休みの予定を立てる季節。高速でロングドライブを計画している人も多いはずだ。そんな計画のお役に立てばと、日本の高速道路をほぼすべて走破した交通ジャーナリストに、絶景が楽しめるルートを5つ選んでもらった。ぜひとも旅のルートに組み込んでほしい!
文/清水草一、写真/清水草一、Adobestock(トップ画像=Snow house@AdobeStock)
■高速道路にだって絶景はある!
クルマの魅力のひとつは、走行中も景色を楽しめることにある。鉄道や飛行機は横の景色しか見えないが、クルマは正面が見放題。気が向けば駐車帯にクルマを止め、降りて景色を堪能することもできる。
ただし、高速道路の場合、SA・PA以外の場所にクルマを止めることはできない。同乗者はともかく、ドライバーは真横の風景をじっくり眺めるわけにもいかない。
そもそも高速道路のルートは、景色を無視して決定されている。山岳地帯ではトンネルが多用されるし、海沿いのルートでも、実際には少し山側を走っていて、海はあまり見えないことが多い。
ロングドライブに出かけると、旅程の大部分が高速道路だったりするが、高速道路からの絶景を期待している人は、多くはないだろう。
がしかし、高速道路にも絶景はある!
高速道路は通過速度が速いため、「絶景」と呼ぶためには、2つの条件がある。それは、「正面付近に絶景が見える」ことと、「ある程度長い距離絶景が見える」ことだ。この2つの条件を満たす絶景を5つ選んでみた。
■その1:山の絶景/中央道上り小淵沢―双葉間から見る富士山
日本には数々の山の絶景があるが、ナンバー1は富士山に落ち着く。
高速道路から見える富士山の代表は、中央道富士吉田線下りの河口湖インター手前。山を抜けるとほぼ正面間近にドカンと富士山が出現して息を飲むが、絶景が見える時間が数分間とやや短いのが難点だ。
私がお勧めするのは、同じ中央道の小淵沢~双葉間だ。
ここは甲府盆地への長い長い下り斜面なので、地球の丸ささえ実感できる雄大な景色の中、その中央に富士山が屹立する。しかも約30キロにわたってほぼ正面に見えるので、30分近く、徐々に大きくなっていく富士山を楽しむことが可能だ。
小淵沢付近は、織田軍の甲州征伐(1582年)の折、信長が初めて富士山を見たと言われる場所でもある。信長はそのまま甲府方面へ向かった。このルートを走れば、信長が見た富士山を追体験することもできる。
コメント
コメントの使い方いいですね。今回は訪れたことのある場所だったので、また他のオススメ道も教えてください。