異様にデカいクルマ乱発!! クルマのナビ画面って大きければ大きいほどいい…の? …ホント??

一方で、操作性が悪化し、使いづらくなることも

 ただやはり、デメリットもある。人間は頭の向きを固定した場合、視線は、左右方向には動かしやすいが、上下方向には動かしにくい。下方の表示を見るには、首を下げる動作が必要となるため、運転中に見ようとすれば前方不注視となってしまい、事故の原因となってしまう。昨今のクルマのメーターディスプレイがすべて横長になっているのはそのためだが、横方向に関しても、確認ができたとしても、運転中には手が届きづらいケースもある。

 また、そもそも運転中のタッチパネルの操作は難しい。スマホは手で持つので、揺れる車内でも操作できるが、クルマのタッチスクリーンはそうはいかない。クルマによっては、走行中によく使うエアコンの設定なども、タッチパネルのなかに組み込まれてしまっているものもあるが、たとえば、運転中に暑さ寒さを感じて温度調節したくなったり、外気の嫌な臭いがしたので内気循環にしたいなどの場合、揺れる車内で正確にタッチすることは難しい。

 エアコンの操作のほか、音量コントロールスイッチ、ハザードスイッチ、クルーズコントロールスイッチ、また、昨今増えてきたドライブモード切替スイッチは、物理スイッチを残して欲しいスイッチだ。これらがクリック感のないタッチパネルとなると、押せたか否かが気になり、不便極まりない。昨今は、ボイスコントロールやジェスチャーで操作できるクルマもあるが、声やジェスチャーで操作するということに対して、ストレスを感じる人もいると思う。慣れの問題なのかもしれないが、おじさん世代としては、やはり走行中に使う可能性のあるスイッチは、物理スイッチで残してほしいと思う。

 逆に、タッチパネルにしてしまってもよいのでは、と思うスイッチとしては、ESC/VDC/VSCオフスイッチやステアリングヒータースイッチ、オートパーキングスイッチ、360度カメラなどだ。どれも原則、停止時に操作をする用途のスイッチであり、いまのように、物理スイッチで残しておく必要はない。

いずれ「程よい大きさ」で落ち着くのでは

 液晶タッチスクリーンに関しては、灼熱となる真夏の車内での耐久性や、画面の損傷などを気にされる人も多いが、その点に関しては、熱害に対してはもちろんのこと、画面も強化ガラスで覆われている(メルセデスのEQSでは傷がついにくい特殊なケイ素アルミニウムガラスを使用しているそう)。もちろん、尖ったもので突き刺せばヒビがはいったりはするだろうが、万が一の事故の際も、割れたガラスの破片がドライバーに飛んでくることがないようつくられているそう。壊れやすさに関しては、そこまで心配する必要はないだろう。

 ナビディスプレイは大きければ大きいほど快適とは言い切れない。大切なのは、ブラインドでも使いやすいことと、目線の動かせる幅といった人間工学を考慮し、適切なレイアウトにされていること。巨大化が進む昨今のナビディスプレイは、程よい落とし所へと、いずれ収束していくことだろう。

アリアのコクピット周り。メーターディスプレイとセンターディスプレイ、物理スイッチ、タッチ式のスイッチが並ぶ。なおタッチ式スイッチは、押した触感が伝わるように、バイブレーション機能が付いている
アリアのコクピット周り。メーターディスプレイとセンターディスプレイ、物理スイッチ、タッチ式のスイッチが並ぶ。なおタッチ式スイッチは、押した触感が伝わるように、バイブレーション機能が付いている
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