「FF最速」の座をかけて、メガーヌR.S.トロフィーRやゴルフGTIとニュルブルクリンクを舞台に熾烈なバトルを繰り広げていることで知られている、ホンダ「シビックタイプR」。現行型は2022年に登場した6代目(FL5)、その価格はなんと税込499万円という高額スポーツカーだ。
ただ、シビックタイプRといえば、かつては若者がちょっと頑張れば買うことができたFFスポーツであったはず。初代モデルの価格は199万8000円と、現行型の5分の2ほどだった。時代が異なるとはいえ、なぜここまで価格が跳ね上がってしまったのだろうか。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:HONDA
気軽さが魅力だったモデルが一転、25年後には500万円級の高額スポーツカーに
1997年、NSXやインテグラに続くタイプRシリーズの第3弾として、6代目のEK型シビックに設定されたのが、初代シビックタイプRだ。シビックには当初、タイプRを設定する予定はなかったそうだが、インテグラタイプRが売れたことで「シビックにも欲しい!!」というホンダ内外からの熱いコールを受け、開発がスタートしたというのが誕生のきっかけだ。
エンジンは、ベースとなるシビックのスポーツグレードSiRと同じく、1.6L 直4 DOHCのB16Aだが、NAチューニングが施されており、最高出力は136kW(185PS)/8,200rpm、最大トルク160Nm(16.3kgm)/7,500rpmというスペック。5速マニュアルトランスミッションを組み合わせ、車両重量は1,070kgにまとめた3ドアハッチバックであった。もちろん、5ナンバーサイズに収まるコンパクトなボディだ。
足回りも、フロントにトルク感応型ヘリカルLSDを装着してトラクションを確保するなど、かなり攻めこんでも負けないハードなセッティング。ブレーキもローターの容量アップで、サーキットでも楽しめる仕様となっていた。レカロシートやチタン製シフトノブなどによってレーシーな雰囲気も演出されていた。これで当時の価格は、冒頭でも触れたように199万8000円。25年前とはいえ、とんでもなくお手頃な価格だったため、お金のない若者も多く購入していたようだ。
一方、現行型である6代目シビックタイプR(FL5)は、11代目シビックをベースとして、2022年に登場。冒頭でご紹介したように、その価格はなんと税込499万円。先代のFK8型シビックタイプR(475万円)から、ターボチャージャーの刷新により最高出力を330psまでアップ(先代は310ps)させ、エアロダイナミクスも改善するなど、先代を超える速さのスポーツカーにはなったが、いつの間にやら、500万円級の高額スポーツカーに成長してしまっていた。もちろん初代と現行では、性能や装備はまったく異なるのだが、おなじ「シビックタイプR」なのに、価格帯が天と地ほど異なってしまったのだ。
コメント
コメントの使い方そうそう。今の路線で正解。実際、500万円の現行型が売れているからね。
騒いでいるのは「昔の」ファンだけ。
タイプR欲しかったけど、高くなったので
インプレッサWRXsti買ったわ
昔の話だけど
25年も前の値段を見て、高いか安いか言っている時点で給料上がっていない証拠。異常だと思った方がよい。
大型化したから。FRやAWDではなくあえてFFでスポーツカー作る意味は「軽さ」だったのに、忘れてしまった原因はニュルタイム。
これを速くしようとすると、高い馬力と広いトレッドが必要。両方とも車体を大型化しないと生かすのが難しいので大型化します。
車をより良くする試行場としてや、良い車が作れたからそのテストに、ならニュルは活かしていいと思います。でも最初からニュルタイム速くする為に車作ったら本末転倒
確かに、軽くてそれほどエンジンパワーが無いからFFが合理的だったのに、今はそれが破綻してますな。
それならスープラ,Z等、FRの方がよっぽど良い。
エンジンパワー,車幅共にFFである合理性は失われている。
それにしても、それなりの造りにしたら外車とほぼ同じ価格になったのは意外だった。
外車が法外にふっかけてた訳でもなかったのか。