豊田章男会長の「悔しさ」から生まれた V8ツインターボ650ps超!!! これがトヨタが世界に誇るフラッグシップFRスポーツ ”GR GT”が2027年に堂々登場へ

豊田章男会長の「悔しさ」から生まれた V8ツインターボ650ps超!!! これがトヨタが世界に誇るフラッグシップFRスポーツ ”GR GT”が2027年に堂々登場へ

 ベストカーもずっと追いかけていた、トヨタのスーパースポーツ。GR GTがついに発表された。モリゾウさんがこのクルマに込めた思い。もう涙出ちゃう。

文:ベストカーWeb編集長 塩川雅人/写真:トヨタ、編集部

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「前だけ見てニュルを走れたのは初めて」

師匠である成瀬さんと弟子のモリゾウさん。後ろのBMWやポルシェを「特訓車」にしつつも、トヨタには80スープラしかなかった(画像:トヨタイムズより)
師匠である成瀬さんと弟子のモリゾウさん。後ろのBMWやポルシェを「特訓車」にしつつも、トヨタには80スープラしかなかった(画像:トヨタイムズより)

 時を遡り、約20年前にモリゾウさんはニュルに挑んだ。そこに走っているのはポルシェ、BMWなど錚々たるモデル。モリゾウさんが走り込みに選んだのはスープラだった。選んだというよりは「それしかなかった」という。

 すでに80スープラは新しいクルマではなかった。ニュルを走ればどんどんと抜かれる。「トヨタにはこんなクルマは作れないだろう」。抜いていく欧州勢のマシンたちがそんな言葉を吐き捨てているようにモリゾウさんが感じたという。悔しさは相当なものだろう。

 やがてモリゾウさんの師匠である故・成瀬弘さんとレクサスLFAを開発することになるのだが、完成した時に成瀬さんがこう語ったという。

「前だけ見てニュルを走れたのは初めて」。

 ついに追い抜かれるだけではなく、オーバーテイクすることができるようになったが、モリゾウさんはこれに満足していなかった。限定生産のLFAではまだまだ胸を張れなかったのだ。

 成瀬さんが急逝する悲しい事故もあったが、モリゾウさんは成瀬さんの秘伝のタレを受け継いでおり、そして新型スポーツを作り上げる仲間もできていた。ここがターニングポイントだっただろう。

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悔しさから生まれたスーパースポーツ”GR GT”

こちらがGR GT。ロードカーとしてもかっこいい
こちらがGR GT。ロードカーとしてもかっこいい

 そして2012年12月のLFA生産終了から13年の月日を経て、量産型スーパースポーツの「GR GT」とBEVとなる新型「LFAコンセプト」が発表された。GR GTは4.4LのV8ツインターボを搭載。1モーターのトランスアクスルで、650ps以上を発揮するモデルとなっている。

 骨格はトヨタでは初となるオールアルミ骨格を採用。しなやかでどっしりとした骨格だという。ドライバーも極限まで低く配置。左足ブレーキも含めた設計がなされている。

このドライバーの低さがすごい。リアには1モーターのトランスアクスルをのせ、45:55の重量バランスになっている。エンジン位置もフロントミドシップだ
このドライバーの低さがすごい。リアには1モーターのトランスアクスルをのせ、45:55の重量バランスになっている。エンジン位置もフロントミドシップだ

 同時にFIA GT3マシンもアンヴェールされているが、こちらは規定によりハイブリッドはないのでより軽量なモデルとなる。現状のトヨタのGT3マシンはレクサスRC F GT3がコツコツと頑張っている状況だが、WECでの奮闘があるとはいえ流石に古さは隠しきれない。

 このGT3マシンもモリゾウさん自身がレースに参戦していることもあり、かなり乗りやすく、クルマとの対話もできるという。そしてジェントルマンドライバーでもある豊田大輔氏も開発に参画していることもあり、この辺りは非常に頼もしいタッグだろう。

左からLFAコンセプト、GR GT、GR GT GT3
左からLFAコンセプト、GR GT、GR GT GT3

 またGRヤリスがデビューした2020年頃からGR GTの世界観を洗い出すミーティングが始まったそうだ。コロナ禍でもオンラインで話をしつつ、駆動方式すら決まっていない状況で、ルーキーレーシングのドライバーを中心にプロドライバーが各々の理想を語ったという。走って、壊して、直す。GRヤリスと同じ作り方もしているのが特徴だ。

 今回はスペック以外は明らかにされなかったが、さすがにこのレベルの車両だと価格は3000万円は下らないはず。いつの日かGR GTの詳報をお届けできる日を楽しみにしたい。

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