近づいてきたらどうするべき？　パトカーや救急車だけじゃない「緊急車両」の対処法とは？

　緊急車両が関係した事故は一定割合で起こっている。緊急車両に遭遇した場合、我々はどう対処法するのが正しいのか？　もし緊急車両と事故を起こした場合、どうなるのか？　今回は緊急車両について検証していきたい。

文／鈴木喜生、写真／写真AC

意外とたくさんある!!　緊急車両に分類されるクルマとは？

　緊急車両といえば、消防車、救急車、パトカーの3種がすぐに思い起こされるだろう。

　緊急車両には国、自治体、公的機関が運用するものが多いが、医療施設や各事業者などの民間団体が所有する車両であっても、公安委員会が指定すれば緊急車両として認定される。道交法ではこれらの緊急車両のことを「緊急自動車」と呼ぶ。

　民間が運用する緊急自動車には、驚くほどさまざまな種類がある。

　その例としては、医療機関が所有するドクターカー、血液製剤の販売業者がそれを緊急搬送するための車両、飛行場が所有する消防車の他、電力会社、ガス会社、水防機関、道路管理会社、通信事業者、原発関連機関などの車両も、緊急車両とされている。

　緊急自動車は道路交通法39条で定義されているが、その要約を以下にご紹介したい。

緊急自動車の種類
●消防
・消防機関やその他の者が使用する消防用自動車（1）
●医療
・国や自治体、医療機関、成田や関空などの空港が、傷病者を緊急搬送する自動車（1の2）
・自治体が救急のために使用する自動二輪車（1の4）
・医療機関が医師を現場に運搬する自動車（1の5）
・医療機関が緊急往診を行う医師を搬送する自動車（1の6）
・輸血用血液製剤を販売する事業者の輸血運搬車両（8）
・医療機関が臓器移植のための医師や器材を応急運搬する自動車（8の2）
●警察・その他
・警察用自動車のうち、犯罪捜査、交通取締りなどに使用するもの（1の7）
・検察庁が犯罪捜査に使用する自動車（3）
・刑務所や矯正施設が、逃走者逮捕、連戻し、被収容者の警備に使用する自動車（4）
・入国者収容所や地方出入国管理局が、容疑者収容、被収容者警備に使用する自動車（5）
●自衛隊
・自衛隊が部内の秩序維持、自衛隊の行動、部隊の運用に使用する自動車（2）
●その他
・電気事業、ガス事業、その他の公益事業者が、危険防止の応急作業に使用する自動車（6）
・水防機関が出動するための自動車（7）
・道路管理者の自動車のうち、通行禁止などの措置、障害物排除に使用するもの（9）
・総合通信局が不法な無線局の探査に使用する自動車（10）
・交通事故総合分析センターが事故例調査に使用する自動車（11）
・国や自治体、原子力関連団体が、原子力災害の発生防止や応急対策などに使用する自動車（12）

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