今回は、すでに生産中止になって久しいものの、現在でも手の届く価格で販売されている懐かしの名車を紹介していきたい。現代にもフィットするサイズで、なおかつキビキビ走る。そんな“遊べるクルマ”とは何か?
文/長谷川 敦、写真/スズキ、日産、三菱、FavCars.com
オープンこそスポーツカーの醍醐味! いまでも楽しいオープン2車
●スズキ カプチーノ
1991年、スズキから風変わりな軽自動車が発売された。カプチーノと名付けられたそのクルマは、660ccエンジンをターボチャージャーで武装し、スポーティなオープンタイプのボディと本格的なサスペンションを装備した正真正銘のスポーツカーだった。
当時の軽自動車では珍しく、エンジンを車体前部に搭載してリアタイヤを駆動するFRレイアウトを採用。
しかもエンジンをフロントアクスルより後方に配置するフロントミドシップスタイルにより、前後重量配分をほぼ均等化していた。
車体も軽量でサスペンションはレーシングカーにも採用される前後ダブルウィッシュボーンとくれば、これはもう走らないワケはない。
当時160.4~174.5万円で販売されたカプチーノは、軽自動車としては比較的高額ながら、走りを重視する層にウケてヒットモデルになり、チューニングも盛んに行われた。
高い人気を得ていたカプチーノだったが、1998年10月に軽自動車の規格が変更され、これに伴って生産も終了となった。
そんなカプチーノは、現在でも遊べるクルマの筆頭格として人気を維持している。
中古車市場での価格は40~300万円と幅広く、程度の良い個体が高値になっていることでもその人気がわかる。
100万円代前半で販売されているものも多く、丁寧に探せば当たり個体もあるはず。このカプチーノも一度は乗ってみたいクルマといえる。
●ホンダ S2000
1960年代に活躍したスポーツカーにホンダのS600やS800の名をあげる人は多い。そんな“Sモデル”が1999年に復活。それがS2000だ。
ホンダとしては29年ぶりとなるFR車のS2000は、その名称どおりの2000ccエンジンを車体フロント部に搭載し、リアタイヤを駆動する。そしてロングノーズ+オープン2シーターの車体はスポーツカーの王道というべきもの。
S2000で特に評価の高かったのがエンジンだ。自然吸気式2リッター直4エンジンは超高回転型にチューンされ、なんと250psを発生。軽量な車体に強烈な加速性能を与えた。
オープンカーながら車体剛性も高く、軽量化のためにボンネット&トランクフードにはアルミを使用。前後ダブルウィッシュボーンサスペンションがエンジンパワーを確実に受け止めた。
このように内容が充実し、評価も高かったS2000だが、あまりに尖ったキャラクターのためか販売成績をそこまで伸ばすことができず、次世代モデルを残すことなく2009年に製造販売を終えている。
現在の中古車市場でのS2000の販売価格は142~1100万円。平均では300万円代といったところだ、これを高いとみるか安いとみるかは購入者次第だが、エンジンパワーとコーナリング性能の高さは現在でも魅力的なのは間違いない。
コメント
コメントの使い方アルトワークスなき今、スズキのスポーツを中古で買おうと思うとカプチーノ、アルトワークス、アルトターボRS、Keiワークス、カルタスGT-iとスイスポの歴代モデルぐらいでしょうか。そういえばこの前、名古屋池下駅付近でスズキキャラ(AZ-1のOEM)を見かけました。
カプチ-ノね。もう30年前になるかな・・・クレスタに乗って高速道路走行してた時、この車がが勢いよく追い越し車線すっ飛ばしていった。ホントによく走ると感心した