おじさん感涙!? 中古でもいいから手に入れておきたい遊べる名車6選

ミドシップに乗りたいなら、このクルマはいかが?

●トヨタ MR2/MR-S

おじさん感涙!? 中古でもいいから手に入れておきたい遊べる名車5選
初代トヨタ MR2。1.5&1.6リッター直4エンジンをリアミドシップ搭載するモデルで、カローラなどのコンポーネンツが流用された2座席スポーツカー

 エンジンを後輪の前方、車体のほぼ中心に搭載するレイアウトをミドシップという。先にフロントミドシップ車も紹介しているが、一般的にミドシップ車と呼ぶ場合はこのリアミドシップを指すことが多い。

 現在のラインナップからは消えているが、かつてトヨタからミドシップスポーツが販売されていたことがあった。

 それがMR2とMR-Sだ。MRとは「ミドシップランナバウト」を意味し、まずは1984年に初代MR2がリリースされている。

 初代MR2は製造コストを抑える目的もあって足回りやエンジン、トランスアクスルはカローラのものを流用。いわばFF車を“ひっくり返した”方式だが、それを感じさせない仕上がりの良さがあった。

 国産では珍しいミドシップライトウェイトスポーツカーのMR2は高い評価を受け、1984年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

 1989年には2代目のMR2が登場。こちらもカローラやセリカをベースにしたモデルだが、車体の大型化とエンジンパワー増大に起因するアンバランスさが指摘されるなど、少々厳しい船出となった。

 だが、最初のマイナーチェンジ(1991年)で足回りが見直され、ピーキーすぎた操縦性を改善。これでプロをはじめ、一般ユーザーからの評価も大きく上がっている。

 そして1999年に事実上の後継モデルとなるMR-Sが登場し、MR2は2世代で製造を終了している。しかし、北米などではMR-Sが引き続きMR2の名称で販売された。

 MR2の大型化は評価が2分したことから、このMR-Sではサイズダウンが実施され、本来のライトウェイトスポーツカーに回帰した。

 MR-Sでも他車のコンポーネンツを流用することによって製造コストを抑え、比較的リーズナブルな価格で販売されたものの、成功作にはなれずに2007年にその歴史を終えている。

 最近の中古車市場ではMR2が50万~660万円、MR-Sが40万~300万円で流通している。年式が新しいぶんMR-Sのほうが価格は低めだが、実際の購入は好みで決めたいところ。

 ミドシップ車の魅力はなんといってもその操縦性にある。ドライバーにある程度の技量は要求されるが、運転する楽しさではピカイチだ。

少々変わりダネだけど、意外に楽しめるクルマ2モデル

●三菱 FTO

おじさん感涙!? 中古でもいいから手に入れておきたい遊べる名車5選
三菱 FTO。兄弟車であるGTOのイメージはあるが、独立したモデルであり、エンジンや駆動方式も異なっている。1994年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞

 1990年に三菱が発売したGTOは、そのスポーツカー然としたルックスに、3リッターV6エンジン+4WDという構成の特異なクルマだった。そんなGTOの弟分的存在がFTOだ。

 FTOの登場は1994年。全体的なイメージはGTOを踏襲しつつ、エンジンは2リッターに縮小され、このクラスのスポーツカーでは少数派のFF方式を採用。同じ三菱製のミラージュのコンポーネンツが流用されている。

 大柄なGTOに対しひと回り小さいFTOは166万~239.7万円で販売され、より手の届きやすいモデルになった。

 FTOの強みはボディ剛性の高さにあり、それを生かしたコーナリング性能の高さから、当時の国産FFモデル最強ともいわれている。そうした点なども評価され、デビュー年の日本カー・オブ・ザ・イヤーも獲得した。

 現役時代はそれほど人気を得ることができず、1999年で1代限りの歴史を終えているが、小気味よく回るエンジンと剛性のあるボディの組み合わせは、いまドライブしても楽しいはず。

 問題は、新車時にそこまで売れていないため中古車の流通台数も少ないこと。中古車価格も38万~249万円と幅広いが、100万円前後で購入可能な車両もある。程度のよい個体を見つけたら、それは“買い”かもしれない。

●日産 マーチターボ(K10型)

おじさん感涙!? 中古でもいいから手に入れておきたい遊べる名車5選
1982年登場の日産 マーチをベースにターボチャージャーを装着したマーチターボ。ボディ前後のスポイラーとフロントフォグランプがNAモデルとの違いだった

 1982年に販売が開始された日産初のリッターカーがマーチ。初代モデルはK10の型式が与えられ、製品名は行進曲を意味するマーチになった。

 5人の搭乗が可能ながらコンパクトなサイズで、イタリアのジウジアーロが手がけたボディスタイルの良さもあり、初代マーチは好調な売れ行きをみせた。

 そのマーチにターボモデルが追加されたのが1985年。当時はちょっとしたターボ車のブームであり、マーチターボはマーチのスポーティモデルという位置づけであった。

 実はK10型マーチには、ターボに加えてスーパーチャージャーを装着したマーチスーパーターボというモデルも存在する。

 このスーパーターボはレース車両のマーチRにルーツを持ち、低回転域はスーパーチャージャー、高回転ではターボが作動して全回転域でパワフルな特性を得ていた。

 話をマーチターボに戻す。マーチターボはオリジナルの1リッター直4エンジンにターボを装着して28psのパワーアップを実現(トータル85ps)。

 さらに上級モデルと同様の電子式燃料噴射装置のECCSS(エックス)を採用。これでターボの性能が存分に発揮されるようになった。

 700kg代の軽量な車体に85psのパワフルなエンジンを搭載したマーチターボは狙いどおりの小気味良い走りをみせ、当時の走り屋たちにも支持された。

 現在のK10型マーチターボは中古車価格が130万~160万円で流通しているが、やはり台数はかなり少ない。そしてマーチスーパーターボに至っては250万円以上の個体もある。

 この金額を遊びグルマに出すのは難しいかもしれないが、その価値はあると考える人がいるのもまた事実だ。

 過去に販売されていた個性的なクルマには、時間が経っても色あせぬ魅力がある。

 EV(電気自動車)を筆頭にするエコ重視のクルマが台頭している現在では、ムカシのクルマで遊べるのも残りわずかかもしれない。だからこそ、チャンスがあったらそれを逃したくない。

【画像ギャラリー】いまだからこそ真価がわかる!! 遊べる名車をもっと見る(18枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

トヨタセリカ復活計画、始動!? 新型ホンダフリードの獲れたて新情報も盛りだくさん!【ベストカー6月10日号】

トヨタセリカ復活計画、始動!? 新型ホンダフリードの獲れたて新情報も盛りだくさん!【ベストカー6月10日号】

トヨタ自動車の壮大なるBIGネーム復活計画の第四弾は……なんとトヨタセリカ!? 新型ホンダフリードの注目情報や、レーシングドライバー岩佐歩夢選手の新旧ホンダスポーツカー試乗など、GW明けから全力投球な企画だらけです!