お笑い芸人「チョコレートプラネット」の長田庄平氏が1200万円で購入したのがグランドチェロキーL。ランクルプラドや新型レクサスGXなどと比べてどこが唯一無二のポイントなのか、アメ車に詳しい九島辰也氏が分析する。
文/九島辰也、写真/JEEP、ポルシェ、ベストカー編集部
■SUV元年は2002年だった!?
個人的に思うに、SUVの転換期は2002年だったと思う。この年、ポルシェがカイエンを、VWがトゥアレグを、ボルボがXC90をリリースした。すべてブランド初のSUVである。
もちろん、これらがほぼ同時に発売に漕ぎ着けたのにはそれまでの経緯があっての話だ。1997年にメルセデスがMLを、1998年にレクサスがRX300を、1999年にBMWがX5を各々市場投入したからだ。つまり、2002年に主要プレミアムブランドのSUVが揃ったのである。
それじゃ、それまで背の高いクルマをメインに扱っていたブランドはどうかというと、当時は少し出遅れた感じ。ランドローバー&レンジローバーも、今回フィーチャーするJEEPも地味にモデルチェンジを続けていただけだ。
マーケットとしてはそもそもあるモデルがどんなに進化しても、「ブランド初のSUV」には敵わない。
■ラグジュアリーSUVがグラチェロの発端
だが、どこのどのモデルよりも早く“ラグジュアリー”をコミュニケーションツールとしてアピールしてきたモデルがある。それがグランドチェロキーだ。1993年、前年に発表した“コンセプト1(ワン)”の評判が高いことから市販化がスタートした。
そもそもこのクルマは1991年に生産を終了したグランドワゴニアの後継として考えられた。1960年代前半に誕生したそれは歳をとりすぎていたからだ。
そりゃそうだ。メッキバンパーにホワイトリボンタイヤ、それにボディサイドのウッドパネルはまさにカウボーイスタイルである。5.9LのV8 OHVユニットは古く、ギアは3速ATのまま30年近く続いた。
ただ、このクルマは当時で言うところの高級車だったことは否めない。ボディサイドのウッドパネルは当時、高級車の証として認められていたのだ。
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