パーキングブレーキからのP!? クルマの健康寿命は駐車方法で変わるってマジ!?

クルマ止めにタイヤを密着させて駐車

「正しく止めるって大変!!」クルマの健康寿命は駐車方法で大きく変わる!?
クルマ止めにはタイヤを接触させず、少し手前に止めるのが正しい

 停止後に少しだけ動かして駐車が◎

 コンビニの駐車場などにある断面が四角、もしくは三角のクルマ止め。このクルマ止めは、クルマを正しい位置に駐車するために設けられている。

 ここに「ドン!」とタイヤをぶつけて駐車する(特に片輪のみ)と、フロント側では結構簡単にアライメントが狂ってしまう。

 アライメントとは、ホイールの整列具合を意味し、適正値を超えるとクルマがまっすぐ走らない、左右どちらかにクルマが流れていく、タイヤが偏って摩耗するなど、さまざまな症状が起こる。

 アライメントの狂いは普通に走っているクルマでもけっこうあることで、道路脇への縦列駐車時に左前輪を縁石に「ドン!」とぶつけたりしても起こるようなもの。

 よって、クルマ止めに勢いよくタイヤを当てて駐車すれば、高い確率でアライメントの狂いは発生する。

 また、ゆっくり進んでクルマ止めにタイヤを当てて停止したとしても、タイヤのトレッド面をクルマ止めに押し付けたまま駐車するのは避けたい。

 この状態では、タイヤのトレッド面、サスペンションにストレスがかかりっぱなしになっているので、クルマをいたわるならやめておいたほうがいい。コンビニの駐車場などの短時間の駐車ではあまり気にすることはないが、自宅駐車場など長時間駐車では避けるべき。

 駐車時は次の手順を踏むといいだろう。

1.クルマ止めへゆっくり進み、タイヤが軽く触れたら停止
2.ニュートラルに変速し、ブレーキペダルから足を離す
3.クルマ止めに押し付けられていたタイヤが、反力でクルマ止めから少し離れたらブレーキ
4.サイドブレーキで完全停止→AT車は最後にPレンジに入れて完了!

 「AT車はサイドブレーキ後にPレンジ……」というくだりも実は重要。これに関しては次で説明しよう。

停止時はPレンジ→パーキングブレーキ?  パーキングブレーキ→Pレンジ?? 

「正しく止めるって大変!!」クルマの健康寿命は駐車方法で大きく変わる!?
サイドブレーキは最後に……という人は意外と多いはずだ。これはトランスミッションに大きな負担をかける

 パーキングブレーキ→Pレンジを習慣づけたい!

 この順序、「考えたこともない」という人も多いだろうが、Pレンジ→パーキングブレーキという人は意外に多い。筆者は知り合いの運転するクルマの助手席に乗るとつい見てしまうが、ほとんどの人が最後にパーキングブレーキを操作していた……。

 AT車でPレンジにシフトすると、トランスミッション内部の固定用歯車(パーキングロックギヤ)に、パーキングロックポールと呼ばれるツメ状のパーツを引っ掛けてパーキングロックギアが回らないようにしている。

 また、パーキングブレーキとPレンジの順番を話す前に、駐車時に「Pレンジのみでよし」としている人がいるがこれはかなり危険!

 「Pレンジに入れるとガチャと音がしてしっかりクルマは止まっている」と思うかもしれないが、前述のとおりツメ状のパーツを引っ掛けて変速機が動かないようにしているだけ。タイヤにブレーキをかけているわけではないので、何らかの拍子にこのツメ状のパーツが外れればクルマは動き出す。

 つまりPレンジはそれほど強いものではないので、坂道などでは想像するだけで恐ろしい。よって、駐車時は常にパーキングブレーキとPレンジの両方を必ず使うべきだ。

 さて、パーキングブレーキとPレンジの順番の話。

 平坦な路面ではあまり気にすることはないが、例えば上り坂に駐車することを考えてみよう。

 停車後に先にPレンジに入れると、クルマはほんの少しバックして停止する。トランスミッションが機械的にロックされた状態で、坂によってここにはクルマが下がろうとする大きな力が常にかかっている。

 そして再発進時は、機械的にロックされクルマが下がろうとしている大きな力を、Dレンジに入れることで無理やり外すことになる。時にはPレンジからDやRレンジに入らないこともあるのだ。

 よって、駐車時はトランスミッションに負荷をかけないよう、パーキングブレーキ→Pレンジを習慣づけたい。

 実はこの順序、クルマの取り扱い説明書にもちゃんと書いてあるので要チェック!

 今回は、クルマの健康寿命を縮めてしまう駐車方法について書いた。なかには、いままで聞いたことと違うものがあるかもしれないし、気にするほどのことではないものかもしれない。

 でも、愛車と長く付き合いたいからこそ小さなことを気にするというのは、クルマにとってもうれしいことなはず……と思うのだ。

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