気づいた時にはもう遅い! 北海道に潜むスカイラインレーザーパトカーの取締りがえげつない

雪の北海道ではレーザー&レーダーパトが必須なのだ

 なぜ北海道警にレーザー&レーダーパトカーが多いのかというと、北海道という冬季になると雪深い土地柄が大きな理由である。

交通機動隊本隊には複数のV37スカイラインレーザーパトカーが活躍している。2021年に開催された2020年東京五輪マラソンではIOCバッハ会長の車列警護も担当したので、V37スカイラインのパトカーの存在に驚いた人もいたことだろう
交通機動隊本隊には複数のV37スカイラインレーザーパトカーが活躍している。2021年に開催された2020年東京五輪マラソンではIOCバッハ会長の車列警護も担当したので、V37スカイラインのパトカーの存在に驚いた人もいたことだろう

オービス等の話に限って言えば、都内などで一般的なのが幹線道路や高速道路などに備え付けられたもの(固定式)や、近年主流となっている可搬式オービスなどでの取り締まりを多く目にする機会が多い。これらの装置は速度違反の車両を自動的に撮影するという利点があるものの、北海道は冬季に入ると積雪によりこのような取締り機器による取り締まりが困難となるためこのような機器の活用は限られてしまう。そこでより効率的に取り締まる方法として活躍しているのが赤色灯のど真ん中に速度計測装置が鎮座する「レーザー&レーダーパトカー」軍団なのである。

速度計測用のレーダーを載せたパトカー自体は少なくとも1980年初頭より全国的に活動が見られた。メーカーによってはレーダーの照射位置を選択できる機器も存在した。

 レーダー式はその名の通り電波を照射してそのドップラー効果によって速度計測を行うが、電波法の改正に伴い、従来のレーダー波は使用できなくなってしまった。既存のレーダーパトを継続して使用するためには機器を載せ替える選択肢も浮上したが、大半のレーダーパトカーは導入から年月が経過しており引退間際という車両も存在したため、北海道警察では車両ごと更新するという選択に至ったのである。

このため、新基準(スプリアス規格)に適用させるため、レーダー波を照射しないレーザー方式を採用。レーザー式速度計測装置を搭載したパトカーが2018年頃から登場したのである。北海道警では現在、「レーザー式」が主流となっているが、新基準に適応した「レーダー式」も少数ながら新規に導入されたケースもある。

北の大地の交通安全を守るレーザー&レーダーパトカーは304馬力のV37スカイラインツインターボ!!

現在、北海道での速度取り締まりの第一線で活躍しているパトカーはV37スカイラインが主流。2021年より道費による配備が始まり、まずは9台が導入された。今年度もさらに追加配備されている。主にレーザータイプが主流だが、レーダータイプ搭載車両も配備されており、機械部分で見た目の判別が可能だ。V37スカイラインは捜査用車両としては全国に配備されているが、白黒パトカーとして導入されているのは今のところ北海道だけである。導入車両はすべて交通取り締まり用なので304馬力を発揮するV6,3リッターツインターボのGTグレードだ。この動力性能を速度取り締まりに活かしているのだ。

所轄警察署で活躍するV37スカイラインのレーダーパトカー。レーザータイプと異なり機器の箱の部分は中身が見えないのが特徴的
所轄警察署で活躍するV37スカイラインのレーダーパトカー。レーザータイプと異なり機器の箱の部分は中身が見えないのが特徴的

 そしてV37スカイラインに次いで多く活動しているのが210系クラウンアスリートパトカーだ。国費配備車と道費導入車が活躍しており、一部の車両はアルミホイールにスパッタリングが施された上級グレードルックのモデルも存在する。性能などは国費モノと変わらないという。居住性についてはやはりV37スカイラインよりもクラウンの方が広くて使い勝手もいいとの話が聞かれた。

V37スカイラインととともに第一線で活躍するクラウンアスリートレーザーパトカー。こちらは「後部照射」タイプだ。標準の無線アンテナはユーロアンテナを備える
V37スカイラインととともに第一線で活躍するクラウンアスリートレーザーパトカー。こちらは「後部照射」タイプだ。標準の無線アンテナはユーロアンテナを備える

 そして北海道にもセドリックパトカーが活動しているが、完全引退まで残りわずかだという。他にもV36スカイラインやJ31ティアナなど、ご当地パトカーが数多く存在する北海道なのである。

所轄警察署で活躍しているセドリックのレーダーパトカー。平成11年(1999年)登録で24年の歴史を持つご長寿パトだ。引退の時が迫る。元は交通機動隊で活躍していたがまだまだ現役
所轄警察署で活躍しているセドリックのレーダーパトカー。平成11年(1999年)登録で24年の歴史を持つご長寿パトだ。引退の時が迫る。元は交通機動隊で活躍していたがまだまだ現役

 速度超過に伴う悲惨な事故が数多く発生する北海道。レーザー&レーダーパトカー軍団に限らず覆面パトカーなどが日々交通違反取り締まりに従事している。新千歳空港近くのレンタカー団地でも積極的に取締りを行っているので、搭乗便の時間に気を取られるあまり速度超過で旅の締めくくりが台無しなんてことにならないように法定速度と交通ルールをしっかり守って安全運転でドライブを楽しんでいただきたい。

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