新型ランクル250やGXもやめたか……背面タイヤはこのまま絶滅するのか!?

新型ランクル250やGXもやめたか……背面タイヤはこのまま絶滅するのか!?

 国内のランドクルーザープラドは背面タイヤレスのみだったが、北米仕様は健在であった。だが新型ランドクルーザー250や新型GXは全車設定なしに。国内で買えるモデルで採用しているのはジムニーやラングラー程度と瀕死状態に。このまま根絶するのか!? そもそも背面タイヤのメリットって!?

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

■背面タイヤ減少……残るは本格派のみに

背面タイヤレスとはいえ新型ランクル250はスぺアタイヤをボディ下部に設置。もちろんコチラもオープンカントリーATIII
背面タイヤレスとはいえ新型ランクル250はスぺアタイヤをボディ下部に設置。もちろんコチラもオープンカントリーATIII

 1990年代に巻き起こったRVブームでは、クロスカントリー車とも呼ばれる無骨なSUVが人気を獲得。

 現在でも新型が存在しているランドクルーザーを始め、パジェロやビッグホーン、サファリなど各メーカーがこぞってクロスカントリーモデルをリリースしていた。

 これらのモデルに共通する意匠としてはリアゲートに備えられた背面スペアタイヤが挙げられる。

 これは当時のRV車らしさを演出する装備のひとつともなっていた。

 乗用モデルをRV車テイストに仕立てた(今でいうところのクロスオーバーSUV)インプレッサグラベルEXやスターレットリミックス、ラシーンなども背面スペアタイヤを装着し、RV車らしさをプラスしていたのである。

 このように一時期は多くの車種に採用されていた背面タイヤではあるが、近年では装着車は減少。

 その一方で、国産SUVのトップに君臨するランドクルーザー300はもちろん、先日発表となったレクサスGXや新型ランドクルーザー250も背面タイヤは採用していない。

 現行モデルで背面タイヤを採用しているのは、ジムニー&ジムニーシエラとジープ ラングラー、メルセデスベンツGクラス、ランドローバー ディフェンダー程度となっており、背面タイヤは絶滅寸前の装備とも言える状態となっているのだ。

■スペアタイヤの使用率激低!! しかも修理キット普及も後押し

セダンやコンパクトカー、そしてシティ派SUVまでもがパンク修理キットに。スペアタイヤはオプションの時代に
セダンやコンパクトカー、そしてシティ派SUVまでもがパンク修理キットに。スペアタイヤはオプションの時代に

 背面タイヤが減っている理由はさまざまあるが、最も大きな理由としてはパンク修理キットの普及したことだ。

 そもそもスペアタイヤを搭載しない車両が増えてきたという点が挙げられる。

 ひと昔前ではすべての車種に搭載されていたスペアタイヤだが、その使用率はかなり低いと言われており、車両が生産されて廃車となるまで一度も使われることがないスペアタイヤも珍しくないほど。

 そうなるとスペアタイヤを搭載するコストや製造のリソースも無駄になることがほとんどということになる。

 またスペアタイヤは重量もかさみ場所も取る(背面タイヤであればラゲッジスペースは犠牲にならないが)ため、パンク修理キットに置き換えた方が明らかにメリットが大きいのだ。

 また近年のクロスオーバーSUVはスタイリッシュなクーペ風フォルムを纏った車種も少なくないため、そもそも背面タイヤが似合わないという点。

 そして背面タイヤを装着することで後方視界が悪化してしまうというデメリットも装着車両が減っている理由のひとつと言えそうだ。

次ページは : ■本格派が未だ背面タイヤのなぜ

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