ビッグモーターの不正が明らかとなった今、我々消費者としては安心かつ良心的なお店で愛車を見てほしいところ。そこで、お店選びの基準はどこにあるのか!? 任せられるお店の特徴や現場で今、不信払しょくをすべくどんな工夫が行われているのか???
文:佐々木亘/写真:ベストカーWeb編集部
■マジメなお店も大打撃……まさに現場は風評被害
「専門家には手を出すな、口を出すな」これは筆者が国語教師から教えられた「専門」という漢字を覚える時に使う標語だ。専には右上に点がいらないこと、門には口を書かないことを示している。
今回、ビッグモーターに関わる連日の報道で、筆者の頭に浮かんだのがこの標語。自動車整備や自動車保険という、一般ユーザーが理解しにくい専門分野で、数々の不正が行われてきた。
今や専門家に対して手や口を出しながら、適切にお店を選ばなければならない時代へと変わっていることを痛感する。
しかし、筆者が取材で出入りする自動車小売業の現場では、真面目に丁寧な仕事を行い、コツコツと信頼を勝ち取ってきたお店が多い。
たった1社の起こした大問題で、優良でユーザー思いのお店にまで不信感が募るのは、元現場の人間としても心が痛む。
信頼できるお店の特徴は、すぐにわかるものだ。多くの人が良いお店を選ぶことにより、真面目にやってきた現場の苦しみも、少しずつ減っていくことだろう。
■不正を防ぐには「見える化」がキモ!!
自動車整備の現場は、物理的に見えなくなっているケースが多い。これはお店の作り方にもよるが、大きな音や汚れ、そして危険が伴う自動車整備の現場からユーザーを離し、安全を確保するためだ。
しかし、ユーザーは愛車を預けたら、整備が終わるまでどこで何をしているのか分からない。自動車整備の現場はブラックボックスのようにも感じるだろう。
まず、お店選びの第一条件として整備の現場が「見える」ことは大切だ。幹線道路から見えること、ショールームの中から見えることは、不正が起こりにくい環境を生み出す。
立地の関係で整備の現場が簡単に覗けない場合は、担当営業マンやサービスフロントに整備現場の見学を申し出るのもいい。嫌な顔ひとつせず、整備工場を見せてくれるお店も、「見える」お店であることに違いはない。
整備中ゆっくりとソファでお茶を楽しむのもいいが、たまには愛車の整備の様子を覗いてみてはどうだろう。
自動車整備は暗くて汚れた場所で黙々と作業を行うイメージがあるかもしれないが、本当に安心できる整備の現場は、明るく綺麗であり、活気のある挨拶でユーザーを出迎えてくれるものだ。
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