トヨタが後付け純正セキュリティシステム1万7050円で発売!  CANインベーダーによる車両盗難を防げるのか? 

トヨタが後付け純正セキュリティシステム1万7050円で発売!  CANインベーダーによる車両盗難を防げるのか? 

 トヨタが後付けのセキュリティシステムを8月から発売開始した。このセキュリティシステムはトヨタ純正アクセサリー)ディーラーオプション)として用意される。はたしてこれでリレータックやCANインベーダーといった車両盗難を防ぐことができるのか?

文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、ベストカーWeb編集部、Adobe Stock

■ランドクルーザーの車両本体盗難が急増中

日本損害保険協会の2022年の車両盗難件数データではランドクルーザーが450件で1位。データからはランクル200、300、プラドなど特定できない。写真は指紋認証ロックシステムが装着されたランドクルーザー300
日本損害保険協会の2022年の車両盗難件数データではランドクルーザーが450件で1位。データからはランクル200、300、プラドなど特定できない。写真は指紋認証ロックシステムが装着されたランドクルーザー300

 まずはどれくらい車両盗難が起きているのか、一般社団法人日本損害保険協会が公開している2022年の車名別盗難状況の調査結果からお伝えしたい。

 車両盗難1位となったのは、2位のプリウス(282件)を大きく引き離す、たった1年だけで450件というランドクルーザー(プラド含む)だった。2020年は275件、2021年は331件、そして2022年は450件と年々増え続けている。

■2022年車名別盗難状況「車両本体盗難」
1位:ランドクルーザー/450件、16.9%
2位:プリウス/282件、10.6%
3位:アルファード/184件、6.9%
4位:レクサスLX/156件、5.9%
5位:レクサスRX/90件、3.4%
6位:ハイエース/83件、3.1%
7位:クラウン/72件、2.7%
8位:アクア/55件、2.1%
9位:C-HR/43件、1.6%
10位:レクサスES/38件、1.5%

 年式、車種によって異なるが、いわゆるメーカー純正盗難防止装置は、イモビライザーと純正アラームの組み合わせで、キーレスエントリーのボタン操作に連動する。ただし、リレーアタックやCANインベーダーを使われた場合、純正アラームが解除され、役に立たないというおそれもあった。

スマートキーから出る微弱な電波を使ったリレーアタックは、微弱な電波を遮る金属の缶や遮断ポーチなどで防止できることが広まったため、自動車盗難の手口はスマートキーのIDコードを読み取ってスマートキーそのものを複製してしまうコードグラバーやCANインベーダーに移行(katsu@Adobe Stock)
スマートキーから出る微弱な電波を使ったリレーアタックは、微弱な電波を遮る金属の缶や遮断ポーチなどで防止できることが広まったため、自動車盗難の手口はスマートキーのIDコードを読み取ってスマートキーそのものを複製してしまうコードグラバーやCANインベーダーに移行(katsu@Adobe Stock)

 車両盗難の方法は、かつてはスマートキーから発せられる微弱な電波を中継器で増幅させ、ドアの解錠を行う「リレーアタック」が主流だったが、認知度の上昇とともに多くの対策が施されたため盗難手口としては減少傾向にあった。

スマートキー内のIDコードを盗み出すコードグラバーという機器も出回っている(dusanpetkovic1@Adobe Stock)
スマートキー内のIDコードを盗み出すコードグラバーという機器も出回っている(dusanpetkovic1@Adobe Stock)

 「コードグラバー」については、リレーアタックのように電波を遮断する方法では太刀打ちできない。コードグラバーはスペアキーをつくるための特殊な専用機械でスマートキーのIDコードを読み取ってスマートキーそのものを複製してしまうからだ。

 当初は数mの距離しか読み取れなかったが、最近では1km以上離れた場所からでもスマートキーのIDコードを読み込める機械が出てきている。

 ただし、コードグラバーが使えるのは狙ったクルマのオーナーがスマートキーを使ってドア解錠などの操作を行うタイミングに限られるため、効率はそれほどよくない。

 変わって台頭してきたのがCANインベーダーという盗難手口。ランドクルーザーのバンパーを外して、モバイルバッテリーのようなものを通信ネットワーク(CAN)のコネクターに接続して、解錠している犯人の映像を見た方も多いはず。

 このCANインベーダーを使った車両盗難に対応したのがこのトヨタ純正用品の「セキュリティシステム」。このセキュリティシステムを搭載することで、車外から通信ネットワーク(CAN)に不正侵入して流し込まれる信号を遮断し、不正なドアの解錠やエンジンの始動を防ぐ、というもの。

 このセキュリティシステムは、部品を取り付けるだけで、スイッチをオンオフするなどの特別な操作は必要ないという。

次ページは : ■価格は1万7050円、工賃込みだと2万5135円~

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

トヨタのエスティマが復活!? 日産はどうなるの? ベストカー1月10日号発売中!!

トヨタのエスティマが復活!? 日産はどうなるの? ベストカー1月10日号発売中!!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、こんにちは! CX-80のディーゼルモデルの仕上がりが想像以上でた…