ミニは、国内問わず人気である。そのミニが、2030年にEVブランドへ転身すると宣言されてから、2年以上の歳月が経過した。そこで、今回はミニのEVブランドへの実現性について問う。また、次世代ミニクーパーについても触れていく。
文/高根英幸、写真/BMW、ステランティス
■欧州ではミニ EVを導入済! いっぽうで日本ではPHEVモデルを販売する訳
輸入車の中でもミニは特別な存在だ。半世紀以上の歴史をもつ名車というブランドネームは、英国のアイコンとして今も様々なモチーフに使われている。
日本でもファンは多く、今や軽自動車より小さなボディのクラシックミニは世界で1番の保有台数を誇り、伝統を受け継いだBMWミニは輸入車販売台数でナンバーワンの人気を誇っている。
BMWは、そんなミニブランドを2030年にはEV専門メーカーへとすることを2021年に宣言している。それはどの程度の実現性をもっているのか、ここで占ってみたい。
実はEVの世界でも、ミニはちょっと異質と言っていいほど、特別な存在だ。
コンパクトな輸入車EVとしては、現在のところフィアット500eが注目を集めている。
けれども、これまでコンパクトな輸入車EVはいくつも登場しており、BMWはi3といった革新的なBEVを販売したこともあるし、スマートも先代モデルはEVを販売していた。
実はBMWミニもいち早く2009年にはEVのコンセプトモデルを発表して欧州で実証実験を行い、日本でも2011年に実証実験をした実績がある。
しかし、時期尚早だったと言うべきか、充電環境が整わない日本市場では普及の実現性が低く導入は見送られたのだ。
そして、2019年には最初のEVミニを欧州で発売しているのだ。そうBMWミニのBEVは、欧州ではミニクーパーSE(英国ではミニ・エレクトリック)として4年前から販売されている。
しかし、日本では現行モデルでもPHEVが設定されているだけだ。
それはEV仕様の航続距離が150km(カタログ値は200km~245km)と短いことから、日本のユーザーには受け入れられにくいという判断なのだろう。
しかし、フィアット500eは、42kWhのバッテリー容量により航続距離を最大で335km(WLTC)まで伸ばしており、冷暖房などを利用しても220km以上の航続距離は確保している。
これでも航続距離が短いという声もあるが、持ち前のキャラクターで支持を集め始めているようだ。
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