ガソリン代200円/L時代に突入間近…ここまで来たらBEVのほうが得…なのか?

初期費用と税金はサクラのほうが約4万円安いが、自宅充電設備に10万円ほどかかる

 続いて税金含む初期費用を比較してみよう。購入時に課税される環境性能割は0円(非課税)、自動車重量税も0円(100%免税)となる。これがデイズの場合は、環境性能割(2%)が30,000円、自動車重量税9,900円。自賠責保険料(24,010円)や軽自動車税(種別割)0円(9月登録で考えた)、登録諸費用(5万円程度)は同様だが、リサイクル料金がサクラで7250円、デイズで6280円と多少異なる。

 合計すると、購入時の初期費用・税金はサクラが約8万円、デイズで約12万円、ということになり、BEVのほうがやはり有利となる。ただし、サクラを購入し、自宅に充電器を設置する場合は、別途約10万円は必要となることは考慮する必要がある。

ハイト軽ワゴンのデイズ。エントリーグレードのSが税込133万円、上級グレードのハイウェイスターGプロパイロットエディションが177万円という、お手頃な軽自動車だ
ハイト軽ワゴンのデイズ。エントリーグレードのSが税込133万円、上級グレードのハイウェイスターGプロパイロットエディションが177万円という、お手頃な軽自動車だ

エネルギー代は、自宅充電ならサクラはデイズの約半分のコスト

 続いて、走行に必要なエネルギー代を考えてみよう。サクラのカタログ電費は124Wh/km、デイズの燃費は21.5km/L。電気代は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が2022年7月に改訂した新電力料金目安単価である31円/kWh、ガソリン代は、2023年9月上旬時点の全国レギュラーガソリン平均金額180円/Lとして、年間1万キロ走行を前提に、1年間にかかるエネルギー費用を試算すると、サクラは38,440円(1ヵ月あたり3,203円)、デイズは83,720円(1ヵ月あたり6,977円)かかることになる。

・サクラの1万キロ走行あたりのエネルギー費用 124×10000×31/1000=38,440円 (Wh/km×km×円/kWh=円)
・デイズの1万キロ走行あたりのエネルギー費用 10000/21.5×180=83,720円 (km/(km/L)×円/L=円)

 サクラの場合は、電気料金の安い夜間に充電を行うことで、電気代38,440円を半分近くにまで圧縮できる可能性はある。デイズの場合は、ガソリン単価の安いガソリンスタンドを探し出したとしても、せいぜい10円/L~20円/Lの差であり、自宅で充電できるならば、エネルギー費用に関しては、サクラのほうに大きくメリットがあるといえる。

急速充電を利用すると、BEVの維持費はぐっと高くなる

 しかし、自宅に充電設備を設けられる人ばかりではない。自宅で充電できないとなると、公共の充電設備を利用することになるが、公共の急速充電器を利用するとなると、月会費4000円~5000円ほどを支払って、自動車メーカー等が発行する充電認証カードをもらう必要があり、月額費に加えて、充電量に応じた電気代を支払う必要がある。以前は、BEV普及推進の一環として、日産が月会費2000円で充電し放題というサービス(ZESP2カード)を提供していたが、現在は充電したぶんを支払うZESP3カードへと移行してしまった。

 筆者も先日、BEVを借りてガソリンスタンドの急速充電器でビジター(非会員)として急速充電したのだが、20分間の急速充電で100kmぶん回復したが、料金は1000円もかかった。これはガソリン車よりもコスパが悪い(充電認証カードがあれば、この3分の1程度で済んだであろうが)。

急速充電のみによるBEV運用は、自身のBEV使用状況に適した、リーズナブルな充電認証カードを見つけられるかがポイント(PHOTO:Adobe Stock_ joel_420)
急速充電のみによるBEV運用は、自身のBEV使用状況に適した、リーズナブルな充電認証カードを見つけられるかがポイント(PHOTO:Adobe Stock_ joel_420)

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