BYDの電気自動車ATTO3(アットスリー)が発売されてから、半年以上が経過し、1カ月平均100台を売り上げている。日本と中国のEVの特長や、売れ行き、気になるユーザー層について解説。日本のEVを追い抜いた実力とはいかに?
文/渡辺陽一郎、写真/BYDジャパン、NISSAN、撮影/茂呂幸正
■国内EVの売れ行きでは日産サクラ絶好調!! そのいっぽうで…?
電気自動車は、走行段階では、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を排出しない。
そのために各メーカーとも力を入れるが、日本市場の販売台数はあまり多くない。軽自動車を含めて、乗用車全体に占める電気自動車の割合は、2%を少し超える程度だ。
エンジンとモーター駆動を併用するハイブリッドは、マイルドタイプを含めると、乗用車全体の約45%に達する。それがエンジンを搭載しない純粋な電気自動車は、大幅に減ってしまう。
国内における電気自動車の売れ行きを見ると、軽自動車の日産サクラが圧倒的に多い。2023年1~7月の1か月平均は約3250台で、ホンダN-WGNやダイハツタフトを上まわった。姉妹車の三菱eKクロスEVは約780台であった。
いっぽう、小型/普通乗用車で最も多く売られた電気自動車は、日産リーフだが、1か月平均登録台数は約1100台だ。そうなると好調なのはサクラのみになる。
そのほかの電気自動車で、1か月平均が1000台を上まわるのも日産リーフだけ。トヨタbZ4Xは、定額制カーリースのKINTO専用車で、2023年の1か月平均は約110台に留まった。
■BYDの販売台数は大健闘! 輸入メーカーのEV販売戦略は積極的に行っている
このような電気自動車の販売状況を考えると、輸入車が健闘している。
海外のメーカーやブランドは、日本よりも電気自動車に積極的で、特に欧州車は大半が用意している。メルセデスベンツやBMWのように、4車種以上の電気自動車を日本へ輸出しているメーカーやブランドもある。
そして2023年は、中国のBYDが注目されるようになった。現時点で販売している車種は、電気自動車のATTO3のみだが、2023年1~7月の1カ月平均は90~100台であった。3月には159台、5月には141台を登録している。
BYDは前述の通り中国の企業で、1995年にバッテリーのメーカーとして創業した。
自動車の製造を開始したのは2000年以降だから、自動車メーカーでは新しい。しかも電気自動車を扱うから、欧州車と違って、BYDの名前を知らない人も多い。
日本の販売店舗数も少ない。2025年末までに100箇所を超える目標を立てているが、2023年8月時点で営業しているのは10箇所程度だ。それなのにBYDの登録台数が、ATTO3のみでシボレーやジャガーの総台数を上まわる。
コメント
コメントの使い方EV買うならトヨタが一番。エコカー買うなら、トヨタです