30年前のヴィヴィオが140万円ってマジかよ……6代目ギャランも新車並のお値段!! ラリー大活躍した往年の日本車の中古価格がスゴいよ

30年前のヴィヴィオが140万円ってマジかよ……6代目ギャランも新車並のお値段!! ラリー大活躍した往年の日本車の中古価格がスゴいよ

 ラリーといえば思い出すのが、インプ、ランエボ、セリカが競ったグループA黄金期。しかし活躍したのはその3車だけではない。ここでは、上記3車以外のグループAベース車両を中古で探してみた!!

※本稿は2023年8月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年9月10日号

■微妙にニッチな存在だからこそ愛は深まるのかも?

ご存知、WRC5連覇を達成したランチア・デルタHFインテグラーレ・ラリーカー
ご存知、WRC5連覇を達成したランチア・デルタHFインテグラーレ・ラリーカー

 別ページでは1990年代半ば頃のインプ/ランエボ/セリカGT-FOURという、いわば超メジャーなグループAラリーカーのベース車に関して、中古車概況などを述べた。

 しかし当然ながら、グループA時代のWRCで活躍した国産マシンはその3車だけではなく、ほかにもいろいろとある。そして国産車だけでなく、これまた当然ながら輸入車においても「グループAラリーカーとして活躍したマシンの市販バージョン」は、中古車市場において今でも多数販売されている。

 下記に挙げたほかにも、例えばBMWの初代M3も、DTM(ドイツツーリングカー選手権)などのレースで活躍しただけでなく、ツール・ド・コルスなどのターマックイベントで、並み居る4WDのワークスマシンを相手に互角以上の戦いを繰り広げたラリーカーだ。

 あまりにも有名で王道な「インプ/ランエボ/セリカGT-FOUR」に乗るのも、もちろんステキだ。

 しかし微妙にニッチなグループA時代のベース車……例えばスバル ヴィヴィオRX-Rやマツダ ファミリアGT-Xなど……に乗るという行為は、自動車愛好家の密かな楽しみとして、今後はよりいっそう注目されるべきものであると考える。

 とはいえもちろん、それらニッチ系は今や中古車を手に入れること自体が、そもそもひと苦労な場合もあり、交換部品の入手が困難になっているケースもあるだろう。しかし困難がデカいからこそ“ステージ”は高いというか、密かな歓びの度合いは、よりいっそう深まるはずなのだ。

●スバル レガシィRS(1989~1993年)

中古車相場:200万~250万円 主要諸元(RS)全長4510×全幅1690×全高1395mm 1290kg 2L水平対向4ターボ(220ps/27.5kgm)
中古車相場:200万~250万円 主要諸元(RS)全長4510×全幅1690×全高1395mm 1290kg 2L水平対向4ターボ(220ps/27.5kgm)

 インプレッサ555の前にWRCを闘ったグループAマシンのベース車。ラリーカーは1990年シーズンから投入され、1991年のスウェディッシュラリーで初の表彰台を獲得。以降、1993年シーズンまでコンスタントに結果を残した。

 市販バージョンの中古車はほぼ絶滅状態ではあるが、根気よく探せばタマが出ないことはない。

●スバル ヴィヴィオRX-R(1992~1998年)

中古車相場:60万~140万円 主要諸元(RX-R)全長3295×全幅1395×全高1375mm 700kg 0.66L直4 SC(64ps/9.0kgm)
中古車相場:60万~140万円 主要諸元(RX-R)全長3295×全幅1395×全高1375mm 700kg 0.66L直4 SC(64ps/9.0kgm)

 これのAT車は若き日のマリオ高野(スバリストライター)に衝撃を与えた一台として一部で有名だが、スーパーチャージャー+5MTのRX-Rは1993年のサファリラリーに出場。

 コリン・マクレーのドライブにより、トヨタワークスのセリカGT-FOURを上回る総合4位につけたが、惜しくもリタイア。現在も中古車は流通しているが、100万円以上となる場合も多い。

●三菱 ギャランVR-4(1987~1992年)

中古車相場:120万~230万円 主要諸元(VR-4)全長4560×全幅1695×全高1440mm 1410kg 2L直4ターボ(205ps/30.0kgm)
中古車相場:120万~230万円 主要諸元(VR-4)全長4560×全幅1695×全高1440mm 1410kg 2L直4ターボ(205ps/30.0kgm)

 1987年に登場した6代目ギャランのトップグレード。4G63ターボエンジンは当時、直4史上最強の205psを発生し、その後220ps、240psと進化。WRCには1988年、5年ぶりにワークス体制を組んで臨み、6回の優勝を記録。その市販車の中古車は今も、希少だが流通している。

●日産 パルサーGTI-R(1990~1995年)

中古車相場:250万~270万円 主要諸元(GTI-R)全長3975×全幅1690×全高1400mm 1220kg 2L直4ターボ(230ps/29.0kgm)
中古車相場:250万~270万円 主要諸元(GTI-R)全長3975×全幅1690×全高1400mm 1220kg 2L直4ターボ(230ps/29.0kgm)

 4代目パルサーにハイチューン化されたSR20DET型 2L直4ターボエンジンと、ブルーバードSSS-R譲りのフルタイム4WDシステム「アテーサ」を搭載したホットハッチ。

 WRCには1991年と1992年シーズンに参戦し、日産が得意とするサファリラリーでは5位に入ったが、その後は残念ながら低迷。とはいえベース車の中古車は今も流通しており、値段もけっこう高い。

●マツダ ファミリアGT-X(1989~1996年)

中古車相場:流通なし 主要諸元(GT-X)全長4030×全幅1675×全高1390mm 1160kg 1.8L直4ターボ(180ps/24.2kgm)
中古車相場:流通なし 主要諸元(GT-X)全長4030×全幅1675×全高1390mm 1160kg 1.8L直4ターボ(180ps/24.2kgm)

 7代目ファミリアのハッチバックに180psの1.8L直4ターボエンジンと4WDシステムを組み合わせた“スーパーファミリア”。WRCでは小型軽量ハイパワーであることを活かし、1989年と1991年にドライバーズチャンピオンシップを獲得した。とはいえ残念ながら現在、その中古車はほぼ絶滅状態だ。

●ランチア デルタ インテグラーレ(1988~1995年)

中古車相場:460万~1000万円 主要諸元(エボルツィオーネII)全長3900×全幅1770×全高1365mm 1300kg 2L直4ターボ(215ps/32.0kgm)
中古車相場:460万~1000万円 主要諸元(エボルツィオーネII)全長3900×全幅1770×全高1365mm 1300kg 2L直4ターボ(215ps/32.0kgm)

 日本勢がグループAを制する前の時代に、WRC5連覇を達成した伝説のラリーカー。中古車の中心は、WRCへの出場はなかった「エボルツィオーネII」で、その相場は「応談」ばかりでよくわからないのだが、取材によれば、好条件な個体は約800万~1000万円。

次ページは : ■結論! 多少大変な部分もあるが気合で乗り切ろうぜ!

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