まったく値落ちしない「武骨」の代名詞!! 名車「FJクルーザー」の魅力と今こその評価

まったく値落ちしない「武骨」の代名詞!! 名車「FJクルーザー」の魅力と今こその評価

 150系ランドクルーザープラドの後継モデル「ランドクルーザー250」が遂に発表となった。ヘッドライトが角目3灯のタイプと丸目1灯のタイプの2タイプが用意されたが、特に丸目のタイプはかつて存在した「FJクルーザー」を想起させる。

 トヨタ「FJクルーザー」は、外観はネオクラシカルな、いわゆるパイクカー的な雰囲気であったが、中身はプラドと共通のシャシー構成を持つ本格オフロードモデル。新型ランクル250登場のこの機会に思い出した人も多いであろう、FJクルーザーの魅力を振り返りつつ、現在の中古車相場についても触れていこう。

文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:TOYOTA

FJ40をモチーフにしたデザインで人気に

 「FJクルーザー」は2003年のデトロイトモーターショーで初披露され、2006年から北米で販売開始されたモデルだ。もっとも特徴的なのはレトロフューチャーな外観だが、これは往年のランドクルーザー「FJ40」をモチーフにしたもので、直立したフロントシールドや、オーバルグリルに埋め込まれた丸目ヘッドライト、ホワイトルーフ、中央の「TOYOTA」エンブレムといったアイコニックなディテールは、親しみやすさと懐かしさ、豊かな個性など、流行に左右されないデザインとなっていた。

 両側のドアには大開口の観音開きドアを採用し、スタイリッシュなフォルムと大きく張り出した前後フェンダー、リアに大きく回り込んだクオーターウィンドウ、大型ドラミラー、3連ワイパーなど、北米市場を強く意識したデザインとなっており、一般的な都会派クロスオーバーとは一線を画すデザインだった。当初は北米市場専用モデルとして投入されたが、冒頭でも触れたように、そのデザインのよさから日本でも注目を集め、2010年に日本市場にも投入された。

アイコニックなデザインのFJクルーザー。いま見ても斬新だし個性的だ
アイコニックなデザインのFJクルーザー。いま見ても斬新だし個性的だ

300系ランクルよりも走行ポテンシャルは高かった

 エンジンは排気量4.0LのV6ガソリンエンジンを搭載し、最高出力は203kW(276ps)、最大トルクは380Nm(38.8kgm)。150系プラドと同じラダーフレーム構造を採用し、パートタイム4WDシステムやリアデフロック、アクティブトラクションコントロールといった本格的なオフロード走行向けのデバイスも備えるなど、見た目だけでなく、ランクル譲りの本格的なオフロード性能もしっかりと持ち合わせていた。

 ボディサイズは全長4,635mm×全幅1,905mm×全高1,840mm、ホイールベースは2,690mmと、かなりの大柄。最低地上高は230mmで、アプローチアングルは34°、デパーチャーアングルは27°、ランプブレークオーバーアングルは28.5°。この3つの角度は、新型ランクル250や現行300系ランクルよりも大きく、走行ポテンシャルはかなり高かった。他にも大型アウトサイドドアハンドルや横開き式バックドア、バックドアガラスハッチ、アンダープロテクション、撥水・防水ファブリックシート、大型ダイヤル式ヒーターコントロールパネル、大型シフトノブ&トランスファーノブなど、タフな環境での使いやすさに配慮されているのもポイントだった。

FJクルーザー「Final Edition」のインテリア
FJクルーザー「Final Edition」のインテリア

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