■インプレッサはインパネの色味を整理すれば映える
室内を見ましょう。
インプレッサは最近のスバル車に共通した造形です。ひと世代前と比べれば“ガチャガチャ”感はずいぶんと抑えられてはきましたが、まだまだ洗練とか上質とはかけ離れたインパネです。
例えば樹脂部品の表面のシボや塗装のブラックの「色味」がバラバラです。表面の角度や素材によって、反射の仕方なども違うので、同じ艶消しの黒でも5色の「異なった艶消し黒」が目の前にありますし、パーティングの強烈な掘り込みも数多く周りにあります。
インパネの主役はメーターパネルです。主役を引き立たてるのが、舞台とわき役であるインパネ本体なのに、構成する全部品が目立ちたがっています。
ステアリングは本革巻きですが、ステッチの縫製が粗くゴツゴツ尖っています。スポークに引っ掛ける親指も痛いです。
運転席の座面は小さく、前後長も横幅も短い。横幅は、側突対策でシートそのものを全体的に内側に寄せているためです。
ドライバーの身体中心に対し、ステアリングの中心は若干外側にあります。ドライバーの左足がセンタートンネルに近い一方で、ドアとの空間が大きい。この空間で側突時の衝撃を吸収しています。ただ、ペダル配置は自然で違和感はありません。
後席も同様です。やはり全体的に乗員の着座位置が内側に寄っていてドアとの空間が広い。車体構造で頑張っていることはもちろんですが、この着座位置も含めて、高い側突安全性を確保しているのです。ただし、その分後席も座面が狭く、やや窮屈な印象です。
座面が奥に寄っているため、乗降性はややマイナスです。特に降りる時はお尻をヨッコラショと動かさないとならず、ちょっと不便です。
■カローラはペダル配置がグッド
カローラのシートはインプレッサに比べて大きい。カローラも若干、シートは内側に寄せていますが、横置きFFなのでセンタートンネルが不要で、そのぶん足元空間に余裕があるため、シートの横幅は狭くすることなく対応できているのです。
カローラのペダル配置はいいですね。一般的な吊り下げアクセルペダルですが、ブレーキペダルとの位置関係が絶妙で、踏み間違いや共踏みの危険性はずいぶん軽減されています。
インパネの色味合わせも上手です。面によって艶消しブラックの色味が異なることはなく、上手に色を合わせています。
ですが……メーター文字の表示は書体も含め読みにくく視認性がよくない。見た瞬間に読みたい情報が目に入ってこない。この点インプレッサのメーターは視認性がよく、高評価です。
後席は……やや内側に寄ってはいますがインプレッサほど極端ではありません。前席のセンターと比較すると後席センターは3cm程内寄りです。
後席座面が3cm内寄りとなっているため、足元の空間に余裕ができて、乗降時の足の通過性は悪くありません。ただし、座面とサイドシルに距離があるため、乗降時にふくらはぎがシルに当たります。
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