警視庁に在籍した33年間中、実に22年間もの日々を白バイに捧げた元警察官の洋吾(ようご)氏。取り締まり件数において3年連続で警視庁トップに輝き、警視総監じきじきの表彰も受けた伝説の白バイ隊員だ。洋吾氏の警察時代の悲喜こもごも、厳しくも「とほほ」な日常を綴った著書『白バイ隊員 交通取り締まり とほほ日記』も上梓(小社刊)。
今回は、パトカーや白バイのメンテナンスって、いつ、どこでやっているのか? あまり知る機会のない警察の日々の裏側について、筆者・洋吾氏が語ってくれた。昭和〜平成の白バイを担ったバイクたちの変遷・ウラ話もご紹介!
文/洋吾、写真/洋吾、Adobestock(メイン写真=moonrise@Adobestock ※画像はイメージです)
■白バイ整備道。愛車のメンテは自分次第
交機隊員の大事な相棒であり、商売道具である白バイ。もちろん、担当者が日々メンテを行っている。
洗車、ワックスがけ、それからオイル交換。まれにバッテリーの充電、チェーンのメンテなどもだ。
さすがに難しい整備までやっている暇はないし、いくらバイク好きが多いとはいえ、隊員みながメンテの知識や経験が豊富というわけではない。
なので、基本的にパーツ交換が必要な場合や突発的な故障の対処は、隊本部の整備係や本部の自動車整備工場で行う。
また民間メーカーへ入庫させる場合もあった。これは所轄の白バイやミニパト、地域係のPC(パトカー)なども同じであった(所轄には整備係はない)。
先にも挙げたように、オイル交換は担当者が実施する。
自隊の車庫内に油庫室があり、二輪用、四輪用のオイルが常備され、廃油専用のドラム缶も設置されていた。担当車両のオイル交換は自由にどうぞという状態である。
この油庫室は、所轄も含め全所属に必ず設置されている。
基本的に、警視庁の警察官は、街中の民間ガソリンスタンドではオイル交換を行わない。
ちなみにガソリン給油施設の有無は各所属まちまちで、設置されていない所属の場合は近くの指定された民間スタンドで給油する。
車両整備は、休憩中や勤務時間外を使って各自が自由に実施していた。
若い新隊員が、自分のバイクのみならず、分隊長や班長の白バイも磨いている姿をよく見かけたものだ。
たまに小隊全員が揃って一斉に車両整備を実施することもあった。
小隊全員でやる時間は、みんなでわいわいがやがや、取り締まりに明け暮れる日々の中での楽しい息抜きのひとときでもあった。
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