■2023年7月のレヴォーグSTI Sport ♯試乗時の印象から占うと……
レヴォーグSTI Sport ♯のベースとなったSTI Sport R EXにはZF製の電制ダンパーが採用されており、その走りのレベルは非常に高いのだが、実際に2023年7月に試乗してみてSTI Sport ♯は明らかにその上を行っていた。
その試乗時の印象をお伝えすると、まずSTI Sport ♯は19インチの40扁平タイヤを履いているのだが、驚くほど滑らかに路面からの入力をいなしてくれるのが印象的だった。
一般道を走り始めた瞬間から間違いなく実感できたものであり、ベースモデルと剛性感がまるで違っていたのはフレキシブルドロータワーバーやフレキシブルドロースティフナー装着の効果なのだろう。
高速道路では車速が上がると一般道でのフィーリングから変わり、徐々に引き締まった乗り心地に。それでも不快な印象はいっさいなく、心地いい安定感というべきか、欧州製ステーションワゴンの乗り味に近い感じだった。
STIパフォーマンスマフラーによる低音の効いたボクサーサウンドも、控えめながらスポーティ感を高めてくれ、上質感が明らかに1クラス上になった錯覚まで感じるほど。確かにベース車でも充分に満足できるパフォーマンスながら、一度こちらに乗ってしまうと100万円上乗せしてでも購入してしまいそうな魅力がSTI Sport ♯にはあった。
■WRX S4でも基本的に同方向のチューンが施されるのか?
レヴォーグSTI Sport ♯の足回りには、スーパーブラックハイラスター塗装を施した19インチBBS鍛造アルミホイールと、ミシュラン製ハイパフォーマンスタイヤ(パイロットスポーツ5)を採用。
また、新開発のSTI製フレキシブルドロータワーバーを採用され、STI製フレキシブルドロースティフナー、スバルパフォーマンストランスミッションオイルクーラーなども搭載することで、パフォーマンスワゴンとしての資質と品格を丹念に磨き上げていた。
さらにカタログには謳われていなかったのだが、レヴォーグSTI Sport ♯には湾曲したタイロッドエンドを採用してステアリング操舵に対する挙動をマイルドな方向にし、リアサブフレームフロントブッシュの締結ボルトを大径化することでステアリング反応を向上させるなど細やかな調整がされていた。
おそらくはさらにスポーツ性を研ぎ澄ませるスポーツセダンのWRX S4がベースとなるだけに、基本的にはレヴォーグSTI Sport ♯のチューニングをある程度は踏襲するものの、そこはWRX S4。WRX STIなき今、スポーツフラッグシップとなるモデルのSTIコンプリートカーだったら、レヴォーグよりもさらにスポーツ性に振ったサプライズ的な要素を加えてくるかもしれない。
■東京オートサロン2024に出展? 問題は600万円に届きそうな価格か…
もちろん、素のWRX S4でも充分に魅力的なのだが、孤高の国産4WDスポーツセダンにプラスアルファのアイテムを満載したSTI Sport ♯が登場したら、即契約してしまいそうだ(笑)。
早ければ2024年1月のオートサロンでの出展の可能性があるかも? と大きな期待を寄せている……のだが、個人的にも最大の問題はやはり価格だ。レヴォーグSTI Sport ♯ではノーマルから約100万円アップの576万4000円だったから、WRX S4でも580万~600万円になることは確実だろう。おいそれとは手が出せない金額だけに大いに悩んでいる……。
【画像ギャラリー】こいつは見逃せない! スバルWRX S4に「STI Sport ♯」が2024年春に登場?(32枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方