どうして起きる? スムーズにいかない水滴除去
ここからは、ワイパーが動作してもクリアな視界にならない場合の原因とその対策を個別に見ていく。
●ワイパーゴムの劣化
ご存じのように、ワイパーがガラスと接触する部分の素材はゴムだが、このゴムは使用するに従って摩耗する。ゴムが摩耗するとうまく水滴を除去できないのは想像も容易だろう。
摩耗に加えて紫外線によるゴムの劣化も考えられる。ゴムは紫外線に弱く、屋外を走行しているときはもちろん、青空駐車をしていても太陽からの紫外線でゴムはダメージを受けてしまう。
劣化したゴムは硬くなってガラスに密着できず、ひび割れが生じると水滴の除去能力が落ちる。
ワイパーゴムが劣化した場合は速やかに新品へと交換したい。ワイパーゴムの交換は比較的容易なので、ディーラーやカー用品店にクルマを持ち込まずに自分で行える。
交換作業に自信のない人は、当然有料にはなるがカー用品店で交換作業を請け負ってくれるので、こうしたサービスを利用するのがお薦め。
●ワイパーブレードも傷んでる?
実は、ワイパーゴムだけでなくそれを支えるワイパーブレードも使用に伴った劣化が進行していく。
ワイパーブレードはワイパーゴムに均一な圧力をかけ、水滴をキレイにならす役割を持っている。つまり、ワイパーブレードが劣化するとワイパー本来の能力は発揮されない。
ブレード劣化の原因は経年による変形や素材の変性、走行中に当たった石粒や砂など。ブレードが変形してしまうと、ワイパーゴムが新品であってもクリアな視界にはならない。
ワイパーゴムを交換しても水滴除去がスムーズにいかないときは、ワイパーブレードの交換が必要な場合もある。
実際にメーカーでは、ワイパーゴムのみの交換ではなくブレードの同時交換も推奨しているケースが多い。
ワイパーゴム&ブレードの交換目安とワイパーを長持ちさせるポイント
最後にワイパーゴムとワイパーブレードはどのぐらいの頻度で交換すればよいのか、そしてワイパーを劣化しにくくするためのコツを紹介する。
●ゴムは半年ごと、ブレードは年に1回が交換目安
クルマの保管状況や走行時間によって変化はあるものの、ワイパーゴムは半年に1回、ワイパーブレードは1年に1回の交換が目安となる。
これらの劣化は徐々に進行するし、毎日雨が降るわけではないので、ゴムやブレードの変化には気づきにくいが、思い切って新品すると視界が一気にクリアになって驚くことも多い。
だからこそ、定期的な交換を心がけることにより、常に良好な視界が確保されてそれが安全運転にもつながる。
もちろん、使用していて明らかに水はけが悪いと感じたら、できるだけ早めにワイパーゴム、あるいはゴムとブレードの両方を新品に交換する。
●ワイパーを長持ちさせる3つの気配り
■気配り1.ワイパーゴムはこまめにクリーニング
屋外で使用するクルマでは、ボディや下回りだけでなくワイパーにもホコリやゴミが付着しやすい。ホコリが付いたままのワイパーを使用すると、そのホコリがワイパーゴムを傷付けて劣化させてしまう。
こうしたトラブルを防止するため、時々はワイパーゴムをウエスで拭くなど、クリーングしておくとよい。
■気配り2.乾いたガラスにワイパーをこすらない
ワイパーはウィンドウの表面が塗れているときに効果を発揮するもので、ガラスが乾いた状態で使用すると表面のホコリやワイパー自体の抵抗で傷付くケースもある。なんらかの理由でワイパーを動かしたい場合は、ウィンドウウォッシャー液を吹きかけてから動かすのがお薦め。
■気配り3.撥水ガラスには対応のワイパーを
ウィンドウに撥水加工を施すと、それによって水分がガラス面に張り付きにくくなる。標準のワイパーの場合、水分の少なさゆえにガラス面との抵抗が大きくなり、それで水はけが悪くなるとともにワイパーゴムの劣化も進行する。
こうしたトラブルを防ぐには、ワイパーゴムも撥水加工対応(専用)品にするとよい。撥水ワイパーは抵抗が低く、スムーズな動作が得られるうえに長持ちする。
今回はワイパーについて考えてきた。シンプルなワイパーだが、安全運転のためには重要な役割を担っている。常日頃からワイパーのケアを行うことが、アナタの身を守ることにもつながるのは間違いない。
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