■S30フェアレディZ240ZGパトカーは要チェックだ! そして熱かった1980年代……
ぜひチェックしておきたい1960年代の貴重な1台といえば、「S30型フェアレディ240ZGハイウェイパトロールカー」だろう。今なお人気の高い240ZGなだけでなく、実際に神奈川県警で使われていた本物のパトカーだったりする。
パトカーの場合、警察関連施設で展示されているような車両以外は基本的にはスクラップにされ、部品さえ世の中に出回ることはない。その本物が持つ迫力が、多くの車両が並ぶヘリテージコレクションのなかでもすぐに存在に気が付かせてくれる。
ネオヒストリックとして扱われる1980年代となると、贅沢さを感じる車種が拡大されていく。日産のパイクカーシリーズの第1弾であり、社会現象的な人気を誇った「Be-1」から、その後に展開された「PAO」やバン「S-Cargo」などをシリーズで展示。
さらに幻のスーパーカー「MID4II」なんて激レア車にも出会える。もちろん、爆発的ヒットとなった「Y31型シーマ」(初代)や「S13型シルビア」、「R32型スカイラインGT-R」といったスターたちも顔を揃えている。
個人的に、ここだけで出会える特別な1台としてご紹介したいのが、時代を先取りしたワゴン「プレーリー(初代)」だろう。まだミニバンという呼び名も存在しない時代に、ピラーレスボディと後席スライドアが実現した大開口ボディは衝撃的。ちょっとボディ剛性が心配にはなるのだが……。
■1990年代以降は時代の波に揉まれたモデルたちが……
バルブ絶頂期から破綻に向けて突き進んだ1990年代では、時代の波に揺れた人気車たちの姿を見ることができる。贅沢さを追求しつつも、その後の景気崩壊の影響によるコストダウンも見え隠れするという不思議な存在のクルマたちだ。
不発となった9代目「U13型ブルーバード」は、定番スポーティセダン「SSS」とファッショナブルなハードトップ「ARX」の2台を展示。またマニアに愛され続けたレパードも大失敗となった3代目「Jフェリー」が展示されている。
個人的に注目して欲しい1台は、FF化しながらも成功を収めた2代目セフィーロ。収蔵車のセダンはなんと激レアの「30Sツーリング」。割安でバカ売れした2L車「20」シリーズではなく、最上位の3LV6エンジン搭載車。だから何だと言われればそれまでだが、今やここだけでしか会えない1台には違いない。
近代となる2000年代だが、それでも今や20年近く前のこと。当時はゴーン改革の真っ只中。その厳しい経営のなか、大決断で生まれ変わった「V35型スカイライン」やゴーンが復活させた「Z33型フェアレディZ」や「R35型日産GT-R」などが収蔵されている。
2010年代となると、まだ収蔵車は少なめだが、『踊る大捜査線』の劇中車として使われた「初代リーフパトカー」や陸上短距離選手として活躍し、世界最速の男と称賛されたウサイン・ボルト氏とのコラボレーションで生まれた「GT-Rボルトスペシャル」が目玉。
ちなみに、同仕様車はチャリティーオークションに出品され、ボルト氏自身にもプレゼントされているが、それよりも以前となる2009年にGT-Rを購入していた一オーナーでもあったそうな。
コメント
コメントの使い方