信号のない交差点でヨコから来たクルマとお見合いになったり、減速せず突っ込んできたクルマにヒヤッとしたことはないだろうか。交差点での事故を未然に防ぐためにも「優先道路」についていま一度おさらいしておこう。
文/井澤利昭、写真/写真AC、イラストAC、国土交通省
■こっちが先? あっちが先? 信号のない交差点を通る際の優先順位
交通事故が発生しやすい場所として、常に慎重な運転が必要とされる道路上のポイントのひとつが交差点だ。
警視庁が公表している統計を見ても、令和4年中に発生した交通事故の総数30万839件のうち、交差点やその付近で発生した事故は実に17万665件と、その半数以上を占めている。
なかでも、出合い頭によるクルマ同士の衝突や接触など、信号機がない交差点での事故を未然に防ぐためのルールとして覚えておきたいのが「優先道路」の存在だ。
「優先道路」とは、信号機や警察官による誘導などによって交通整理が行われていない交差点において、そこを通過するクルマの優先順位が高いほうの道路のこと。
もういっぽうの「優先道路」ではない側の道路を走るクルマは、「優先道路」側を走るクルマを邪魔しないよう、交差点進入時に一時停止や徐行が必要となる。
その定義として、道路交通法の第36条第2項では「道路標識等により優先道路として指定されているもの」および「当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路」とされている……が、これでは少々わかりづらい。
それでは信号のない交差点に進入する際、自分が走っている道路が「優先道路」かどうかを判断するには、具体的には何を目安にしたらよいのだろうか?
■まずは標識やセンターラインを確認! 「優先道路」を判断する方法はいくつかある
信号のない交差点での「優先道路」の見分け方としてもっともわかりやすいのが、道路標識による確認だ。
交差点の手前に青地に白の太い矢印ような白線とそれに交わる細い横線が描かれた標識があれば、その道路が「優先道路」であることを示している。
いっぽう、そこに交わる「優先道路」ではない側の道路には一時停止や徐行の標識が設置されてことが多く、場所によっては「前方優先道路」の補助標識が設置されていることもある。
また「優先道路」の標識がなくても、片側が1車線以上ありセンターラインが引かれている道路では、交差点内にセンターラインがあるかないかで「優先道路」を判別することが可能。
こういった道路では、交差点の中まで途切れることなくセンターラインが引かれている方が「優先道路」となる。
センターラインが途切れている側の道路は「優先道路」ではないので、一時停止や徐行などの標識がある場合はその指示に従い「優先道路」を走るクルマを妨害しないようにする必要がある。
同じようなパターンでセンターラインのない狭い道路では、道路の両端に引かれた車両通行帯を示すラインの有無でも「優先道路」の判別ができる。
こちらも交差点内にまで途切れることなく引かれている側が「優先道路」となるわけだ。
コメント
コメントの使い方俺が優先だと我を張ったところで、事故起こせば傷つくのは愛車
仰る通りですね。相手の過失がどんなに多くても、事故後の対応も通院期間も労力の無駄が凄まじいです。
交通ルールを守るのは当然としても、相手がうっかりしてる可能性も常に考えてリスク回避する行動をする方が、
我を張り、正しくても時間労力に大損をしてしまうより、ずっと利益が大きいですね。