「なんでこうなった!?」 開発した人を小一時間ほど問いただしてみたい、でも憎めない「ざんねん」なクルマたち、エピソードを集めた『ざんねんなクルマ事典』『ますます! ざんねんなクルマ事典』(小社刊)。
今回は日本車史に燦然と輝く名車中の名車、トヨタ2000GTと日産スカイラインGT-Rにも「ざんねんエピソード」はあるのか? 本書の監修も務めたモータージャーナリストで、両車に乗車した片岡英明氏の実体験を聞いてみた!
テキスト/片岡英明、写真/トヨタ、日産
■短いトンネルだと、ライトが上がる前にトンネルが終わります トヨタ 2000GT(1967~1970年)
●前期型に乗るのなら、できれば夏は避けましょう。
1967~1970年まで製造されたトヨタ2000GTは、日本自動車史に燦然と輝く名車中の名車です。そんな名車のざんねんなところとは? 片岡英明氏に聞きました。
──2000GTの価格=238万円は、当時の大卒者の初任給の約80倍。それだけ高価なクルマなので機関的な部分はよくできていました。
ですが、夏に乗るのはけっこう厳しいクルマでしたね。とにかく車内が暑いんです。
空力が良すぎたんでしょうね、窓を開けても風が入ってこない。
当時のクルマがみんな備えていた三角窓もないですから、仕方がないので窓を開けて外に手を出し、その手を導風板代わりにして車内に風を入れてました。
後期型になるとクーラーを後ろ側に付けられるんですけどね。
あと覚えているのはヘッドライトですね。
パカッて上に開くリトラクタブルライトなんですが、開ききるまでに3秒かかるんです。ですからトンネルに入る時は、その時間を計算しておく必要がありました。
短いトンネルだとライトが上がりきる前にトンネルを通過してたなんてこともありましたよ。
・発売年月:1967年5月
・エンジン種類:直6 DOHC
・総排気量:1988cc
・最高出力/最大トルク:150ps/18.0kgm
・全長/全幅/全高:4175╳1600╳1160mm
・車両重量:1120kg
・諸元記載グレード:2000GT
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コメント
コメントの使い方何年も使い回しの今のスカイラインとGT-R、そして日産の凋落……それが一番の残念エピソードでしょ。