■清水草一のJMS評
クルマは乗ってナンボなので、基本的に見るだけのモーターショーは、あんまり楽しいものだとは思ってないです。
ただ、全盛期の東京モーターショーは、コンパニオンの祭典だったりとか、日本を挙げての巨大なお祭りだったので、それなりに面白かった。
コンパニオンコスチュームの自粛や、輸入車の撤退後は、お祭り感もぐっと下がって、時代の流れを感じざるを得ませんでした。
そんななか、4年前の前回は、屋外展示を増やしたり、お子さん向けのブースを作ったり、別のお祭り感を出していて、とても頑張っていたと思います。
で、今回。前回あった屋外展示がぐっと縮小された分、6年前に戻った感はありました。
ホンダジェットやモビルスーツの展示で、クルマだけじゃないモビリティショーにリボーンさせようという試みはナイスファイトでしたが、あんまり未来を感じることはできませんでした。
やっぱり日本はもう世界の最先端国じゃなくなっているので、展示のすべてにどことなく既視感があって、ビックリできるような新鮮な要素が少なかった。
空飛ぶクルマを展示するだけじゃなく、実際に飛ばすくらいのことをしてほしかったです。
結局、マツダのアイコニックSPや日産のGT-Rもどき? など、見逃せないコンセプトカーが何台かあったのが最大の見どころで、特にアイコニックSPは、「これを見ただけでも来た甲斐があったなぁ」と思えました。
JMSを採点すると?
・クルマ好きが楽しめた度:8
・未来のモビリティが見えた度:6
・家族で楽しめるイベントだった度:6
・世界に誇れるショーだった度:4
・従来のモーターショーからの変化した度:5
・入場料に見合った価値があった度:7
モビリティショーにシフトをしたことは時代にマッチしていて素晴らしいと思うのだが、空飛ぶクルマを実際に飛ばすくらいの驚きが欲しかった。次回のモビリティショーに期待だ!
■小沢コージのJMS評
「未来のモビリティ」であり「未来」を見せる……その意義&意気やヨシ! だと思う。
が、本音でツラい面もなくはなかった。なぜなら人はお勉強が嫌いだからだ。その昔NHK教育テレビの視聴率が悪かったようなもん。大衆は基本バカでラクしたがり。本音は欲望の波にただ流されたい。
だからリクツ優先のエコカーは苦手だし、見て速そうでカッチョいい、スゲーと言うだけ新車の方がよほど楽。とはいえエコカーのお勉強であり、楽しいヘヘーがあったのはスズキのCNGカーではなく、CBGカーであり、圧縮バイオメタンガスカー。
CBGってなに?ってとこが本当はメンドクサイ。英語でCompressed Biomethane Gas=生物由来の圧縮メタンガスを燃やして走るわけだが、とどのつまり牛のうんこが元。
うんこを発酵させてメタンガスを出す→それを燃やしてアルトが走る→ざっくり誤解込みでいうと「おなら」を燃やして走るおならカーかも!?(笑)。
しかもそれをカレー大国のインドの人が必死に考えて現実化しようとする。ぷぷぷ……ほとんどマンガの世界じゃないですか。でもだから面白い。
次点はみんな上げてるマツダアイコニックSP! この夢のない、お勉強的SDGsばかりの世界に飛び出た、直情的なエロ美しスーパーカー。
しかもマツダの怨念とも言えるロータリー搭載! ただしフォルムに根本的に新しい感じがしないのが今ひとつ。
JMSを採点すると?
・クルマ好きが楽しめた度:8
・未来のモビリティが見えた度:6
・家族で楽しめるイベントだった度:8
・世界に誇れるショーだった度:6
・従来のモーターショーからの変化した度:9
・入場料に見合った価値があった度:7
ECOだとかSDGsなどの理念を掲げると小難しい話になってしまい、「勉強会」みたいになってしまうのだが、今回はわかりやすいスポーツカーが多く展示していて楽しかった。
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