来場者111万人で大成功!! 次回の課題は「新鮮さ」!? ジャパンモビリティショー総括

■渡辺陽一郎のJMS評

ホンダがサプライズで発表したプレリュード。EVシフトを進めるホンダだが、このプレリュードはエンジンを搭載するハイブリッドだ。オジサン世代には懐かしいネーミングだ。日本での発売は?
ホンダがサプライズで発表したプレリュード。EVシフトを進めるホンダだが、このプレリュードはエンジンを搭載するハイブリッドだ。オジサン世代には懐かしいネーミングだ。日本での発売は?

 東京モーターショーがジャパンモビリティショーに変わり、参加企業は前回の2倍以上でライブも開催された。概要を聞いた時は不可解な儲け主義のイベントになるのではないかと心配した。

 しかし実際に出かけると、各メーカーのブースからは「モビリティショーじゃないよ、自動車が主役のモーターショーだよ!」という意気込みを感じた。

 特に注目されたのが、マツダアイコニックSP、ホンダプレリュードコンセプト、トヨタFT-Seといったスポーツカーだ。

 最近の自動車関連の論調には「地球の将来を考えれば内燃機関を全廃してEVにすべきで、そうなれば市場への新規参入が相次ぎ、既存の自動車メーカーは困窮する」といった内容が散見される。

 確かにEVは有効な手段で各社とも力を入れるが、技術進歩の原動力は可能性の追求だ。内燃機関の否定はあり得ない。

 車両についてもモーターや電池は一部に過ぎず、安全性や快適性に対するニーズや考え方は、内燃機関のクルマと共通だ。

 話は単純で「EVになってもスポーツカーには乗りたいし、エンジンの鼓動も感じたいぞ!」という気持ちがある。

 出展内容からも、自動車メーカーの「みんなの気持ちはわかってるぜ! クルマを退屈な移動の道具にはしないぜ!」という気持ちが伝わってきた。

 看板はジャパンモビリティショーに変わったが、出かけてみたら、いつもの楽しい東京モーターショーでした。余計な心配させんなよ。

JMSを採点すると?
・クルマ好きが楽しめた度:9
・未来のモビリティが見えた度:8
・家族で楽しめるイベントだった度:8
・世界に誇れるショーだった度:6
・従来のモーターショーからの変化した度:7
・入場料に見合った価値があった度:7

 モビリティショーと言って自動車以外の移動体にも積極的な出展を求めたショーだが、そうはいっても自動車ショーの雰囲気も色濃く、クルマ好きが楽しめたショーだった。

■片岡英明のJMS評

 開催前は「どんなショーになるんだろ!?」と、ちょっと心配だった。

 だが、初日にブースを観て回ると、自動車メーカーのコンセプトカーだけでなく異業種が手がけた次世代モビリティやシティコミューターなどがたくさん展示されていたから顔がほころぶ。

 今までより出展件数が多く、コラボ展示もあるなど、見応えのあるショーとなった。

 会場も狭いというが、東展示棟から南展示棟まではかなり距離があり、端から端まで行くのは大変だ。

 ただし、移動する途中でいろいろな展示ブースを観ることができたのは収穫と言える。

 残念だったのは輸入車の出展がBMW、メルセデスベンツ、BYD、ルノーの4社だったこと。もう少し最先端の輸入車を観てみたかったというのが本音。

 印象に残ったメーカー展示は、マツダだった。入り口では4800個ものトミカが出迎えてくれ、その右側には3分の2スケールの精密なロードスターが置かれている。コックピットに収まった子ども達にはいい思い出になったはずだ。

 もちろん、ロータリーエンジンを積むコンセプトカーのアイコニックSPも強烈なインパクトを放っていた。しかもステージ映えする光の演出もニクい。わかってるね。

 トヨタも積極的にコンセプトカーとニューカーを展示したが、ちょっと散漫な展示で、会場も暗かったのが残念。逆に大型ビジョンを使った日産は迫力満点だった。2輪車はメグロやニンジャなど、直球勝負のカワサキが好印象だ。

JMSを採点すると?
・クルマ好きが楽しめた度:9
・未来のモビリティが見えた度:8
・家族で楽しめるイベントだった度:9
・世界に誇れるショーだった度:8
・従来のモーターショーからの変化した度:7
・入場料に見合った価値があった度:8

 全体的にはワクワクするスポーティカーの出展が多く、また自動車以外のモビリティも多彩に出展されて楽しいショーだった。輸入車の出展がもっとあればよかったんだけど……。

次ページは : ■清水草一のJMS評

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