エステートにツーリング、アバント、バリアント、ブレーク……。これらはすべてステーションワゴンを指す名称だが、肝心のワゴンという言葉を聞かなくなって久しい。かつて一世を風靡したステーションワゴンの車名に迫ってみたい。
文/奥津匡倫(Team Gori)、写真/ホンダ、トヨタ、BMW
【画像ギャラリー】どれも「ワゴン」だけど呼び方はそれぞれ違う! 新旧国産ワゴン3台(3枚)画像ギャラリー■ワゴンブームがピークだった!? 続々とワゴンの名が消滅……
かつての日本ではワゴンの一大ブームがあった。ワゴンと言っても今日言われているようなワンボックスやSUVではなく、セダン派生のステーションワゴンのこと。
そんなステーションワゴンには、メーカーや車種によって呼び名が異なるという特徴があった。
ほとんどのものは結局のところ、ステーションワゴンではあるのだけれど、どういうわけかワゴンを名乗るモデルは意外に少なかったりする。
国産車を例に見てみると、クラウンワゴンは最終モデルとなる11代目で「エステート」を名乗るようになった。
カローラワゴンも4代目から「フィールダー」へ、さらにその3代後に「ツーリング」とたびたび名称を変更している。
トヨタだけではない。アコードワゴンも最終モデルとなった5代目から「ツアラー」へと名前を変更した。
アコードの場合、ヨーロッパではその前の代より「アコードツアラー」だったこともあり、それに統一したという見方もできるが、ワゴンと名乗りたくなくなった事情があったのだろう。
■働くクルマのイメージが強い!? 日本は超特殊市場
輸入車でも「ステーションワゴン」は少ないが、欧米ではその地域でワゴンを指す言葉(エステート、ブレークなど)が車名に採用されていることが多く、車名を見ればワゴンとわかるものが多い。
転じて日本、ワゴンブームの時は多くのモデルがワゴンを名乗っていたのに、時を経てそれらはいろいろと変化していった、なぜか。
日本ではワゴンブームが来る前まではワゴン=ライトバンだったから、ワゴン=働くクルマのイメージを持つ人がいる。
中でも年配者に多かった印象で、ワゴンブームの時も頑ななまでにワゴンを拒む人がいた。
でも、ブーム時の名称はワゴンだったことを考えると、それだけの理由とは考えにくい。
コメント
コメントの使い方