■エアコン搭載で運転もラクラク??
レーシングカーの快適装備で一番驚かれるのはエアコン装備などのドライバーを冷やすためのツール。モータースポーツの過酷さを伝える際によくサウナの中でマラソンをしているようなものと例えることがある。
サウナの中というのは少し過剰な表現かとも思うが、密閉されたレーシングカーの車内は60度を平気で超える。そしてドライバーの心拍数は平均で180に達するほどフルマラソンランナーと同等まで上がるのだ。
そこで近年はクールスーツといったレーシングスーツの内側に水の管が入ったベストを着て、ドライバーの上半身を冷やすものがある。これはずっと稼働させるとお腹が冷えて痛くなるほどに冷やしてくれる。
さらにはエアコンまで搭載されているレーシングカーまである。最近では感じることが少なくなったが、ひと昔前の乗用車でもエアコンをつけて走るとパワーロスを感じることもあった通り、エアコンを使うとエンジンパワーを失う。
コンマ1秒を争うモータースポーツではその1馬力が結果に大きく影響するため、パワステ同様にエアコンは搭載されてこなかった。だが最近ではエアコンも当たり前になりつつある。
もちろん市販車でイメージする車内空間を冷やす物ではなく、ダクトを通じてドライバー自身を冷やしパワーロスを最小限に抑える。
ダクトの先はドライバーのヘルメットや市販車のベンチレーションのようなシートから冷気を出すなど方法は様々である。
■レーシングカーはより快適さを求め進化を続ける
このようにレーシングカーはドライバーに優しいクルマへと進化している。もちろん現代でモータースポーツをやっているドライバーたちが「楽」をしているという訳ではないことは強く伝えたい。
実際にスーパー耐久を戦っている身としても24時間レースでは一人当たり8時間も運転するのだから過酷な労働環境には間違いない。しかし道具の要素が極めて高いモータースポーツは年々、快適なクルマへと進化しているのだ。
【画像ギャラリー】エアコンってこうなってるのか!! 世界のカッコいいレーシングカーたちをギャラリーでチェック(28枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方尾崎さんの記事だ
制限あるだろうけどもっと頻繁に書いてほしいな