■余裕がないからこそ、MT車のほうが事故率が低い!?
ここまではMT車の構造や機能的な面から、安全上での利点を考えてきたが、冒頭で紹介した鳥取環境大学の報告では、MT車を運転するドライバーの心理が、安全運転につながるということも述べられている。
運転をするための操作や手順が少ないAT車は、そのぶん注意力が散漫になってほかのことに気をとられやすくなり、これが事故につながるというのだ。
一時期問題となり、令和元年12月からは厳罰化されたスマホやテレビを見ながらの「ながら運転」も、クルマの操作に余裕があるからこそできるといわれれば、確かに納得できる。
いっぽうのMT車は運転のための操作や手順が多いぶん、ほかのことに気をとられる余裕が少ない。「余裕がない運転」というと何だか危険なイメージがあるが、MT車はほかのことに惑わされることなく、運転に集中ができる環境にあると考えれば、そちらのほうが安全であるのは間違いないだろう。
免許取得後はAT車しか乗ったことがないという人からすると、「MT車の運転は難しい」と敬遠してしまうかもしれないが、ひとつ間違えば周りの人を傷つける大きな事故を引き起こす可能性があるクルマの運転は、少々面倒で難しいくらいなほうが、緊張感を持って臨めるのかもしれない。
ついつい「クルマを操る楽しさを感じられる」という感覚な部分だけで語られがちなMT車の魅力ではあるが、安全性という面でもAT車と比較してメリットがあるという点も、ぜひ忘れないでいてほしいものだ。
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コメント
コメントの使い方踏み間違い事故を防止する(減らす)には、マニュアル限定免許を導入して高齢者で車を運転し続けたい人はこの免許しか取れないようにすればいいように思う。
もちろんシフト・クラッチ操作できないなら返納でしょう。
スマホを見ながらの「ながら運転」は、オートマ車であれば右手はハンドル左手はスマホってことが可能ですが、マニュアル車であればシフト操作があるため少なくともオートマ車よりは少ないはずです。
ドライバー本人の問題であってMT車がどうこうじゃないと思う。MT乗りだって運転中スマホ見る人は見る