新車販売の約99%がAT車ということで絶滅の危機にあるMT車。そんな絶滅危惧種であるMT車オーナーに遭遇したとき、AT車にしか乗ったことのない人たちは、「ちょっとウザい」と思うらしい。では、どのような行為が癇に障るのだろうか?
文/藤原鉄二、写真/写真AC
【画像ギャラリー】風前の灯になりつつあるからこそ言われちゃうことも…(8枚)画像ギャラリー■ヘタな半クラはウザいというか怖い…
ギアを入れた状態で、ゆるゆるゆる~と左足を動かしてクラッチペダルを緩める操作が「半クラ」。
このとき、一気にアクセルを踏みすぎて回転数が高くなりすぎると、無駄に「ウィーン」とエンジンがうなりをあげてしまう。
MT車教習を受けたことすらないAT限定免許のドライバーのなかには、このエンジン音は「うるさい」を超えて、「クルマがぶっ壊れるんじゃないかとドキドキする」と思う人も。
たしかに、AT車の場合、常識的な!? アクセルワークをしていればエンジンが低速でうなりをあげるなんてことはないので納得。
さらに、筆者の知り合いのAT限定免許所有者の体験談。
「忘れもしない、あれは東京の目黒の美空ひばり記念館の前の道でのことでした。通ったことがある人は知っていると思いますけど、めちゃくちゃ急勾配で、そこに信号機があるんです。そして、運悪く赤信号に引っ掛かっちゃって……。止まっているときに横を見たら、運転者が明らかに緊張しているんですよ。青信号になったときは、マジ恐怖でした……」。
いっぽうで、「逆に半クラが上手で、坂道でスムーズに発進するのを見ると、「うまいじゃん!」と、ちょい尊敬しちゃいますね。僕は絶対無理なんで」とのこと。
ちなみに、エンジンの回転を上げすぎてクラッチをつないでしまうと、ディスクは早く摩耗してしまうので注意したい。
■「かっこいー」とはもはや思われないヒール&トゥ
やたらとエンジンを空吹かしされるのが気になって仕方がない、あまりに頻繁にされると正直ウザい。そんな声が多いのがヒール&トゥ。「そんなこと言ったって、MT車のスムーズな変速をして、クルマを労わるためには必要な操作なんだよ!」と、MT車オーナーは思うかもしれない。
しかし、急加速と急減速を繰り返すようなシチュエーションがほとんどない公道の走行では必須とはいえない操作。
AT車しか乗らない人にとっては、ヘタな半クラ以上にウザさを感じるらしい。
クルマを労わるつもりでやっていたとしても、MT車が激減してヒール&トゥというテクニックを行う本当の理由を知らない人たちにとっては、悲しいかな、単に「かっこつけ」のウザ行為に感じてしまうらしい……。
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