寒さが厳しい冬の朝は、クルマの中もカチコチに凍っているかのような冷たさ。シートも冷たく、ハンドルも冷たくて握るのをためらってしまうということも、あるかと思います。
ただクルマは、スタートスイッチをオンにしてエアコンをつけても、すぐには暖まりません。冷えきった車内を一番早く暖める方法をご紹介しましょう。
文:吉川賢一
アイキャッチ画像:Adobe Stock_Petro
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始動直後は、エアコンはオフが正解
カーエアコンの暖房は、室内のエアコンとは違い、エンジンをかけたことによる熱を利用したもの。エンジンを始動させることで得られる熱が冷却水に伝搬し、その冷却水に風を送ることで空気を暖め、それによって車内を暖めているのが、カーエアコンの暖房です。
そのためカーエアコンは、エンジンが冷え切っている始動直後は機能せず、エアコンをオンにしても冷たい空気がでてくるだけ。エンジン始動直後は暖房のスイッチを入れるのを我慢し、エンジンが暖まってからオンにするほうが、早く車内を温めることができます。10分も走行していれば、暖かい空気が出てくるはずです。
ハイブリッド車においても、寒い時期はスタート直後にエンジンを始動させると、暖機運転するように設定されているようです。筆者の所有する日産「ノートオーラ(e-POWER)」も、エアコンONの状態でスタートスイッチを入れると、エンジン本体が温まり、発電効率のいい燃焼状態に落ち着くまで、エンジンがかかります。ただ、その間はガソリンを多く使うため、瞬間燃費は通常走行時と比べて悪くはなります。
ひざ掛けとカイロでこたつのようにして、一番大きな筋肉である太ももを暖める
シートヒーターやステアリングヒーターがついていれば、車内が暖まってくるまで、それらでしのぐことができるのですが、そうしたヒーター類が装備されていないクルマの場合、できることとして、ひざ掛けとカイロでこたつのようにする、という方法が手っ取り早いと思います。
シートや手先、足先が冷たくても、人体で一番大きな筋肉のある太ももを温めることで、全身の体温を効率的に高めることができます。ひざ掛けは、ペダル操作に支障をきたすことのないように、太もも部分だけを覆うようにし、その下にカイロを忍び込ませます。クルマ側のUSB給電コネクタから電源をとるタイプの電熱ブラケットもいいかもしれません。繰り返しになりますが、くれぐれも膝より下にずれることがないようにすることが重要です。
また、後付けのシートヒーターを使うという方法もいいでしょう。座面だけのクッションタイプのものから、身体が接触する範囲を覆う加熱マットなど様々なタイプがありますが、いずれも内蔵されている電熱線に電気が通ることで発熱する仕組みとなっており、スイッチを入れれば10~20秒ほどですぐさま暖かさを感じることができます。ただこちらも、座ったときにズレていかないよう、留め具が付いているタイプを選ぶようにしてください。
このほか、バイク用の防寒装備をとりいれるのもお薦めです。たとえば、首周りの保温をするネックウォーマーや足首周辺の温度低下を防いでくれるアンクルカバー、手首まで覆うグローブなどは、身に着けることで首、手首、足首を保温することができ、身体が冷えるのを防ぐことができます。ただし、バイク用の電熱ジャケットや電熱パンツは、過剰に熱くなることがあるため、クルマを運転するドライバーにはお薦めできません。
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