マツダがフラッグシップモデルと位置づけるセダン/ステーションワゴンである「マツダ6」。現行型は2019年7月にデビューしたモデルで、その際、それまで「アテンザ」という車名だったのを、世界共通の「マツダ6」と改められた。
現在マツダラインアップの販売の中心はCX-5などのSUVだが、マツダ6もかなりいいクルマ。ただこのたび、生産終了となることが発表されてしまった。国内向けモデルの生産終了時期は、2024年4月中旬を予定しているとのこと。マツダ6の魅力を振り返ろう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:MAZDA
マツダが追求するクルマづくりの本質を味わうことができるクルマ
自動車メーカーとしての規模は大きくないマツダだが、クルマづくりへのこだわりは強い。掲げるキーワードは「Be a driver.」。環境や安全ももちろん大事にするけど、走る歓びを諦めることはない、との思いが込められているという。フラグシップであるマツダ6では、その「走る歓び」の価値を最大化すべく、クルマの普遍的で本質的な価値を追求しているという。
冒頭で触れたように、マツダ6は、セダンもしくはステーションワゴンのボディスタイル。セダンもステーションワゴンも日本市場では人気があるとはいえない状況だが、セダンやステーションワゴンは、低重心ならではのスタンスの良さや、剛性の高いシャシー性能によるドライバビリティなどを追求しやすいため、クルマの基本性能をより素直に楽しむには最適なスタイル。マツダには多くのSUVモデルがあるが、このマツダ6を「フラグシップ」と表明しているのにも、そのあたりのこだわりからなのかもしれない(2022年12月のプレスリリースで、マツダはMAZDA6をフラッグシップモデルとしている)。
質感の高い内外装デザインとディーゼルも選べるエンジンラインアップが魅力
走りの基本性能を高めることも大切だが、それだけが走る歓びに直結するわけではない。心昂るデザインや気分を高揚させる演出、オーナーに満足感を与える高い質感なども重要な要素だ。
マツダは「魂動(こどう)デザイン」と「SKYACTIV技術」をクルマづくりの基本に織り込むことで、マツダというメーカーの個性を明確にし、そのアピールに成功している。特にマツダ6は、デザインはセダン、ワゴンともに素直に「カッコイイ」と思えるバランスのよさがあり、スポーティな走りを想起させつつ、クロームパーツを使って上品に仕上がっている。インテリアも細部まで造り込まれた仕立てのよさや上質な素材の採用により、フラッグシップにふさわしい質感が感じられる。
エンジンラインアップは、定評のある2.2Lクリーンディーゼルエンジンのほか、2.0Lと2.5Lの自然吸気ガソリンエンジンが用意されている。デビュー当初は2.5Lエンジンにターボもあったが、2022年12月のマイナーチェンジで廃止に。ディーゼルでは6速MTも選べたが、同マイナーチェンジで廃止となっている。
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