■非・SUVの硬派なクルマ
「硬派なヤツは冒険が好きだろう」という極めて乱暴な推測に基づき、冒険に最適なSUVに絞って硬派モデルを紹介してきたが、さすがに「それだけじゃないだろ」ということで、ここではまったく別方面の硬派モデルを紹介する。
そう、モータースポーツベースモデルだ。といってもさすがにこちらは数が少なく、メーカーHPで確認できるのはマツダ2とGR86くらい。
あまりにサミシイので、すべてを「R」モードにすると、なかなかハードな乗り味が味わえるGT-R NISMOも加えてみた。これで勘弁してほしい。
■乗り手を選ぶほどに硬派なモデルを今、振り返る
昭和の時代はスパルタンなクルマが多かった。特にラダーフレームに副変速機付きのヘビーデューティ4WDは乗り手を選ぶほど手強い。
ランクル40系と70系、そのライバルのパトロール(サファリ)、1980年代にはパジェロのJトップやビッグホーンのイルムシャーなどが悪路で威勢のいい走りを見せつけている。
平成の時代に入ると、キング・オブ・SUVを誇示するランクル100系が王者の走りを披露した。が、ランクル以上にシビれる走りを見せたのが、2代目パジェロのショートボディに設定した「エボリューション」だ。
パリ・ダカールラリー参戦車のノウハウを駆使して開発され、1997年にベールを脱いでいる。
オフロードで乗ったが、急勾配の登坂路を一気に駆け抜け、コーナーでは舐めるように路面を捉える。力でねじ伏せる走りも楽しかった。V6エンジンは自主規制枠の280psを発生し、7000回転まで使い切ることができる。
同じ時期にデビューした、いすゞビークロスも刺激的な走りだ。こちらもV6のガソリンエンジンを積み、ショートホイールベースだから軽やかな身のこなしを見せた。
もう一台の暴れ馬は、三菱の初代RVRに追加されたオープンギアのDOHCインタークーラーターボである。剛性が緩かったこともあり、パンチの効いた走りをちょっとスリリングな気分で楽しんだ。
この1990年代には羊の皮を被った硬派ワゴンも数多く登場した。その筆頭は、ワゴンにGT-Rのハードメカをぶち込んだステージアのオーテックバージョン260RSだろう。
パワフルなエンジンを積むだけに攻めの走りでは4WDといえどもテールを振り回す。2代目カルディナに設定された2.0 GT-Tも男気あふれる硬派スポーツワゴンだった。テクニックがあれば痛快な走りを楽しめる。
ホットハッチとベビーギャングにも硬派が多い。昭和の時代にはシティターボIIが、平成の時代にはダイハツがストーリアにラリー参加用のベース車両、X4(クロスフォー)を送り出した。
排気量を713ccとし、DOHCターボと4WDで武装したX4の尖った走りには胸躍らされる。
WRCマシンのベース車も手強いが操る楽しさは格別。マツダのファミリアに加わったGT-Aeはシビれる走りに魅せられた。むろん、ランサーエボリューションとインプレッサWRX STIの走りも刺激的だ。
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