「なんでこうなった!?」 開発した人を小一時間ほど問いただしてみたい、でも憎めない「ざんねん」なクルマたち、エピソードを集めた『ざんねんなクルマ事典』『ますます! ざんねんなクルマ事典』(小社刊)。
日本のクラシックカーや絶版車、珍車についての知識にも定評あるモータージャーナリスト、片岡英明氏監修による本書から、実力派揃いながらちょっとざんねんな末路を辿った日産のクルマ4台をご紹介。
監修/片岡英明、写真/日産
■ミニバンとSUVに押されたまま長らく放置プレイ 日産 ウイングロード(1996-2018年)
●どうせならもっと早く廃番にしてあげたかった
日産 ウイングロードは、サニー カリフォルニアとADワゴンを統合した新ブランドの小型ステーションワゴンとして1996年に誕生。
2001年にマイナーチェンジを受けた2代目の後期型はまずまずの人気を博しましたが、折りからのミニバンブームとその後のSUVの台頭により、2005年登場の3代目は失速。
長らくモデルチェンジもされないまま放置され、2018年にようやく生産終了となりました。長い長い放置プレイの末に廃番とするなんて、ちょっとかわいそうです。
・発売年月:2005年11月(3代目)
・エンジン種類:直4 DOHC
・総排気量:1797cc
・最高出力/最大トルク:128ps/17.9kgm
・全長×全幅×全高:4475×1695×1485mm
・車両重量:1260kg
・諸元記載グレード:2014年式 ライダー
●ざんねん度:★★★★☆
■海外ではよく売れたが日本の道で使うにはさすがにデカかった 日産 ムラーノ(2004-2015年)
●今なら1880mmという全幅も許されるだろう
そもそもは北米市場向けに開発されたが、そのデザインがあまりに素晴らしかったせいで「ウチの国でも売ってくれ!」との要望が世界中から殺到。
その流れで日本でも発売されたものの、さすがにサイズ的にアメリカンすぎた(大柄すぎた)せいかヒットには至らず、2015年を最後に日本市場からは消えていった美しきSUV。それが、日産 ムラーノです。
2002年デビューの初代ムラーノは全長4770mm×全幅1880mm×全高1685mmと、当時の感覚からすると「堂々たる体躯」でしたが、日本でも「まあまあ」程度は売れ続け、2008年まで販売を続行。
そして同年9月、2代目へのフルモデルチェンジを受けました。この2代目もグローバルではよく売れたのですが、初代よりもさらに若干大きくなったサイズが日本では嫌われ、日本では今ひとつパッとしないまま2015年4月、販売終了となりました。
その後、海外向けには、なかなかカッコいい「3代目のムラーノ」が発売されているのですが……。
・発売年月:2004年9月
・エンジン種類:V6 DOHC
・総排気量:3498cc
・最高出力/最大トルク:231ps/34.0kgm
・全長×全幅×全高:4770×1880×1685mm
・車両重量:1720kg
・諸元記載グレード:2004年式 350XV
●ざんねん度:★★★☆☆
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