街中をクルマで走行していると、いろいろなステッカーが貼られているクルマをよく見かける。神社やお寺で販売されている交通安全のステッカーやミュージシャンのステッカー、他にも「BABY IN CAR」や、「ドライブレコーダー録画中」といったメッセージ性のあるステッカーまでさまざまだ。思わず「こんなのあった、あった」となる、クルマのステッカーをいくつか振り返ろう。
文:エムスリープロダクション
写真:エムスリープロダクション、Adobe Stock、JAF
令和:「県内在住です」
新型コロナウイルスの影響が深刻だった2020年、突如現れたのが、「他県ナンバーですが、県内在住です」ステッカー。緊急事態宣言の発令によって県境をまたぐ移動を控えるようにとされたことで、他県ナンバーのクルマがいたずらなどの被害を受けるトラブルが頻発。その自己防衛として販売されていたものだ。
さすがにいまは、貼っているクルマを見かけることはないが、このようなステッカーを貼らなければならなかった当時を思い出すと、胸が締め付けられる。
平成:「水曜どうでしょう」
クルマに貼られているステッカーで多いのは、趣味や嗜好をアピールするもの。「E.YAZAWA」などの好きなミュージシャンのステッカーであったり、「snow peak」や「THE NORTH FACE」などのアウトドアブランドのステッカー、また「D.A.D」や「HKS」などクルマのアフターパーツメーカーのステッカーもよく見かける。
これらは、好きなものに囲まれていたいという思いや、クルマをドレスアップさせるため、という目的があるのだろうなと推測できるのだが、「水曜どうでしょう」のステッカーは、謎に思っていた人も多いはず。ご存じない人のために説明しておくと、「水曜どうでしょう」とは、1996年~2002年まで放送されていた、北海道テレビが制作していたバラエティ番組だ。俳優でタレントの大泉洋さんと、同じく俳優でタレント、映画監督なども務める鈴井貴之さんが、同行するディレクター2名とともに旅や冒険をするドキュメンタリーバラエティで、当時、空前の大人気だった番組だ。
なぜわざわざ番組名のステッカーを貼っているのか、本稿執筆にあたり調べてみると、水曜どうでしょうの企画に「原チャリの旅」というものがあり、その企画の中で「水曜どうでしょう」ステッカーを貼ったクルマと遭遇すると、そのドライバーのところに話を聞きに来てくれる、ということがあったそう。番組のファンであることをアピールして、チャンスがあれば、「水曜どうでしょう」の企画に自分も加わりたい、という思いから番組名のステッカーを貼っていたようだ。
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