海中に潜む脅威の「機雷」。地味だがとてつもなくやっかいなヤツ

■自動化・パッケージ化される機雷敷設

 機雷を敷設するのは機雷式敷設艦の任務だ。とはいっても今日では専用の機雷敷設艦を保有する国は少ない。機雷は航空機や潜水艦からでも敷設することができるからだ。ちなみに海自では機雷敷設艦の機能を併せ持つ「うらが型」掃海母艦を運用する。 

 現代の機雷の敷設を行う艦艇は、艦内に機雷保管する保管庫と海中に投下するための機雷敷設軌条、敷設装置がパッケージ化された区画を持ち、敷設間隔、敷設速力、投下数、軌条の選択などが自動的に制御される。機雷は艦尾から投下され、敷設位置や敷設数などは自動的に記録されるようになっている。

 また小型の艦艇でも多数の機雷を短時間で効率よく敷設できるように、機雷や軌条、敷設装置をコンテナに収納したモジュラー式機雷敷設装置が開発され、運用されている。

韓国海軍の「南浦級」機雷敷設艦。飛行甲板下の3区画分に機雷の保管から投下までを行える機雷敷設システムを装備している。写真は艦尾の扉を開き、訓練用の係留機雷を投下しているところ(Photo/韓国海軍)
韓国海軍の「南浦級」機雷敷設艦。飛行甲板下の3区画分に機雷の保管から投下までを行える機雷敷設システムを装備している。写真は艦尾の扉を開き、訓練用の係留機雷を投下しているところ(Photo/韓国海軍)

 潜水艦の魚雷発射菅から発射され、自走した後に海底に着底して沈底機雷となるものをSLMM(Submarine-Launched Mobile Mine:潜水艦発射型自走機雷)といい、敷設艦や航空機が侵入できない海域への機雷の敷設や隠密裏に敷設することを目的として開発された。アメリカ海軍のMk67がそれで、後継の能力向上型のMk76もある。

 中国でもMk67に似たSLMM(中国ではself-navigation mine:自立航行機雷と呼ぶ)に沈底させる時間調定機能を取り付けた機雷を開発して備蓄しているといわれる。

 現用、特に最新の機雷に関しては性能データが公表されているものが少なく、写真も公開されていないので形状すら分からないものが多い。秘匿性が高いことが大きな脅威となり、機雷の存在価値を高めるからだ。そのため対機雷戦には機雷の性能に関しての情報収集も作戦のひとつになっている。

【画像ギャラリー】対機雷戦と機雷敷設戦を画像で理解する(7枚)画像ギャラリー

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