「クルマを所有する」というと、ひと昔前では「頭金を作り、ローンを組んで……」と算段し、税金や車検費用などの工面をし……というのが一般的。しかし今は「サブスク」というクルマの所有方法がある。これを基礎からおさらいしてみよう。
※本稿は2024年2月のものです
文/ベストカー編集部、片岡英明、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年3月10日号
■いよいよ増えてきた「クルマのサブスク」
お買い物といえば現金、カードで代金を一括払いだし、もしも代金が高額なら5年なり10年の長期ローンを組んで購入……ってのが今までのお買い物のセオリーだった(当企画担当もその世代の人間です)。
だけど、何事も多様性が重視される令和の現代においては、お買い物の仕方も多様化してきた。その最たるものが「サブスク」と呼ばれるものだ。
サブスクというのは、月々ないし年単位で決まった料金を支払えばコンテンツやサービスを利用できるというもの。一番身近な例とすれば、音楽ならアップル・ミュージックやスポティファイ、電子書籍ならアマゾンKindleがそれに該当する。高級時計もサブスクで使えるのだ。
日常生活を振り返ると、今やサブスクで利用できるものが大変増えている。そして、今クルマにもサブスクの波が広がっており、盛り上がりを見せている。
一見縁なさそうだなぁと思うかたも多いかと思うが、これを読めば、「これが新時代のクルマの買い方か!」と驚かれること違いなしだ!
■まずは「サブスク」について、解説しよう
クルマを買う時などに最近よく目にしたり、耳にする言葉が「サブスク」だ。これは「サブスクリプション」の略で、「定期購読」や「継続購入」を意味している。
動詞の「サブスクライブ」が「定期購読する」という意味になることからわかるように、もともとは新聞や雑誌などの定期購読を意味する言葉だった。
今では「サブスク」と略され、浸透しつつある。語尾に「サービス」の文字を加えたサブスクリプションサービスは、月1回や年1回など、一定期間の利用に関して料金を支払って受けられるサービスのことだ。
世に知られるようになったのは、音楽配信サービスの「スポティファイ」や動画の配信サービスの「ネットフリックス」など、月額制のサブスクサービスが若者を中心に広がっていったからだろう。
一定の料金を支払えば音楽が聴き放題、動画が見放題になるなど、メリットが多い。だからスマホの普及とリンクして始める人が増えてきた。
定期的に決まった料金を支払うサービスを利用し、商品を受け取る定額制サービスと似ている。が、サブスクは商品やサービスを提供して終わるのではなく、顧客ニーズを分析し、顧客満足度の改善も継続的に行うなど、得られるメリットははるかに大きいのだ。
■サブスクって通常のカーリースとどう違う?
ちょっと前まで、クルマを長期的に使いたい時に利用したのはカーリースだった。「リース」はそれなりに高額な機械や設備などを長期的に貸し出すビジネスモデルのことだ。
クルマなどは高額だから自費で購入すると負担が大きくなる。そこで割安な月額料金を支払い、クルマなどを借り出すサービスが生まれた。
カーリースには複数の選択肢が用意され、使い方や好みに応じて借りたいクルマなどを選べる。契約期間中は、新車を購入した時と同じようにマイカー感覚でクルマを所有でき、乗り回すことができるのだ。
車検やメンテナンスも、月々の定額の支払いの中でコミコミとなっている。クルマの維持費を気にする倹約家には助かるシステムだ。
カーリースとサブスクはほとんど同じで、サブスクの中にカーリースというサービスも含まれている。だが、2年や3年など、リースは長期契約が前提だ。途中で解約することもできるが、違約金が発生する。また、月々の支払額も意外に差が大きいのだ。
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