信号の右折レーン手前にあるゼブラゾーン。前が詰まって渋滞しているので、「通っちゃいけないっぽいけど、別に走ってもいいんじゃね?」って、判断に迷っていませんか? このゼブラゾーンを走ってしまうと、違反になるの?
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(タイトル写真:xiaosan@Adobe Stock)
■ゼブラゾーンってそもそも何? 通行禁止じゃないの?
右折レーンが渋滞していて、その手前にあるゼブラゾーンに進入してしまったことはないだろうか? 何気なく通行している人も多いんじゃないだろうか? そもそもこのゼブラゾーンを走行してはいけないのだろうか、違反にならないのだろうか?
このゼブラゾーンの正式名称は「導流帯」。「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令/第一章・道路標識の第五条/区画線の種類、設置場所~」という建設省(当時)からの命令により、車両の安全かつ円滑な走行を誘導する必要がある場所に設置されているものだ。
主に片側数車線ある道路の交差点の手前などに設置されており、中央分離帯と一緒になった導流帯や周辺道路への標示のみなどさまざまなものがある。
では、そもそも導流帯を設置する目的はなんだろうか?
国道などは将来の交通量を見越して、車線の数や幅員(道路の幅)などを決めているが、そうすると自ずと同度の形も決まってくる。その場合、将来の交通を見越したエリアは余剰地になっていることがほとんどなので、普段クルマが走らない場所が出てきてしまう。
しかし、その余剰地をほったらかしにしておくと、クルマがどこを走ってよいのか、走行するうえでいろいろな障害が出てくるので、そうしたエリアは導流帯など車線に制限を設けることで、安全を確保している。
また、右折レーンに設置されている導流帯は、高い速度で交差点へ進入して右折することを抑止する目的もあるという。
「交通の方法に関する教則」においても、クルマの通行を安全で円滑に誘導するため、クルマが通らないようにしている道路の部分と説明されている。では導流帯を走ると違反になるのか?
導流帯は、交差点の右折レーンの導流帯は速い速度で進入を抑えるなど、あくまでもスムーズな交通の流れを導くために設置されたもので、導流帯自体は進入禁止場所ではない。つまり、導流帯の通過は違反ではないのだ。
ただし、宮城県公安委員会は、宮城県道路交通規則第14条4項で「ペイントによる道路標示の上に、みだりに車輪をかけて、車両を運転しないこと」と定められている。宮城県では導流帯を通行すると違反となるのだ。
また覚えていてほしいのが事故が発生した場合の保険の過失割合。ゼブラゾーンを走行中、ゼブラゾーンが終わったところから右折車線に入るクルマと、ゼブラゾーンの上を直進して右折レーンに入るクルマが追突や接触事故を起こすケースが考えられる。その場合、ゼブラゾーン走行の直進車両に10~20%の過失が上乗せ修正されることがあるので注意が必要だ。
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