【最初は嫌いだった? スープラ インプ スカイライン】 一周まわって好きになったクルマ

■トヨタ MR-S(1999~2007年)

(TEXT/片岡英明)

先代が強烈な武闘派だったため現役時はさほど目立てなかったのが悲しい

〈どこがイマイチだった?〉
 トヨタMR-Sがベールを脱いだのは、世紀末の1999年秋だ。この年はホンダS2000やR34GT-R、ランエボVI、S15シルビアなど、パワフルなスポーツモデルが相次いで登場した。だからNAエンジンのMR-Sは、先輩のMR2ほど華やかに感じられなかったのである。

〈一周まわってどこが好き?〉
 が、ミドシップで、しかも軽量だから気持ちいい走りを見せ、運転すると楽しい。また、2ペダルの6速シーケンシャルミッションも、今考えると画期的と評価できる。

■日産 V35 スカイライン(2001~2006年)

(TEXT/斎藤 聡)

直6との決別、もっさりしたデザインで当時はあんまり。クーペはカッコよし

〈どこがイマイチだった?〉
 インフィニティと統合した最初のモデルってことで、スカイラインと呼ぶには凄く抵抗があった。FMプラットフォームが採用されたことでスカイライン伝統のFRらしい乗り味がガラリと変わってしまったからだ。

〈一周まわってどこが好き?〉
 でも、いま改めてスカイラインについて考えると、あの時モダンなプラットフォームへの変更は必要だったし、よりよいハンドリングを作ろうという作り手の熱意が感じられるクルマだった。それがとても好ましく感じられる。

■トヨタ 2代目 MR2ターボ(1989~1999年)

(TEXT/桂 伸一)

初期型の操縦性はトリッキーだったがIII型以降、大きく改善

〈どこがイマイチだった?〉
 初代MR2はNAなので穏やかだった。だが2代目に加わったターボは曲者。一般公道は普通に走行できる。が、サーキットで雨ともなると人格は豹変。当時、ジキルとハイドと原稿に書いた覚えがある。アンダーからオーバーステアへの変化が唐突すぎた。

〈一周まわってどこが好き?〉
 だが、いま改めて見ると、コンパクトなサイズとターボの刺激は魅力。操安性はタイヤ性能に依存するクルマだが、現代のタイヤ性能であれば難題を収束でき、楽しい走りがクローズアップされるハズだ。

■マツダ ビアンテ(2008~2017年)

(TEXT/松田秀士)

歌舞伎の隈取りを意識した強烈なフロントフェイスが特徴でしたな

〈どこがイマイチだった?〉
 デビューした2008年当初、フォード車共用のプラットフォームで3ナンバーサイズの横幅で背も高すぎ、そんなに広さとか大きさを主張しなくてもいいじゃない、という印象だった。顔のデザインは嫌いじゃなかったけどね。

〈一周まわってどこが好き?〉
 けどモデル末期に広報車を借りて数日乗って驚いた。なにがよかったかって、運転しやすい。サスペンションもキレイにストローク。しかも頭上を含めスペースが無駄に広大。そう! これが本当のミニバンだと思ったね。今は好ましく思ってるよ。

■ホンダ アヴァンシア(1999~2003年)

(TEXT/渡辺陽一郎)

同様のモデルに日産のルネッサがあったが、どちらもあまり人気では……

〈どこがイマイチだった?〉
 1999年の発売時点では、車内の広いワゴン、あるいはハッチバックというクルマ作りが曖昧に感じた。

〈一周まわってどこが好き?〉
 しかし今は「もっと大人を愉しもう」というコンセプトが時代に合っている。前後席にセンターコンソールが備わり、特に後席が快適だ。

 大切な友人夫妻と4名でドライブに出かける時などに、アヴァンシアは最適だ。ホンダはSUVだけでなくワゴン&ハッチの可能性をもう少し追求してほしい。

*   *   *

 さまざまな理由で現役当時は高く評価されなかったクルマたち。が、ここで紹介されたもののように、時間が経てばそのクルマが持っていた本来の資質が再評価されることもある。ま、クルマからすりゃ、「なら現役時に評価しろよなー」と言いたいところだとは思うけど。


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