シルビアや180SX、パルサーGTi-Rなどでお馴染みのSR20ターボエンジン。スポーツカー向けのエンジンというイメージが強いのだが、あろうことか当時の日産は「ハイパワー」とは遠い世界にいるはずのミニバンやSUVなどにも積んでしまったのだ。そんなマニア心くすぐられるクルマたちをご紹介!!
文/小鮒康一、写真/日産
■ちょっと影薄め……なアベニール&ルネッサに搭載!!
日産のSR20ターボエンジンといえば1989年10月にU12型ブルーバードに搭載されたのを皮切りに、91年1月にはS13型シルビアに搭載されて以降はS15型まで継続搭載され、現在でも人気の高いエンジンだ。
そのためSR20ターボエンジンはどうしてもシルビア/180SXのエンジンのイメージが強いかもしれないが、実はデビュー時に搭載されていたブルーバードやWRCにも挑戦したパルサーGTI-Rのほかにもさまざまな車種に搭載されていたのである。
スポーツ系の車種以外でいち早くSR20ターボエンジンを搭載したのは、1995年8月にマイナーチェンジを実施した初代アベニールだった。
プリメーラとプラットホームを共有するアベニールは、欧州ではプリメーラワゴンとしても販売されており、そのハンドリングは高く評価されていたが、この大幅改良のタイミングで4WDモデルに210PSのSR20DET型インタークーラーターボエンジンを搭載した「GTターボ」を設定した。
このターボモデルは1998年8月に登場した2代目アベニールの4WDモデルにも230PSにパワーアップされた上で継続設定され、当時人気を博していたレガシィツーリングワゴンのライバル車となっていたが、全車ATのみとなっていたのが残念だった。
続いて設定されたのは1997年10月に登場した“マルチ・アメニティ・ビークル”と称されたステーションワゴンのルネッサで、こちらでも4WDモデルに200PSを発生するSR20DET型エンジンを搭載した「GTターボ」というグレードが設定された。
このルネッサにはオーテックジャパン(当時)が手掛けたスムージングフォルムを持ったカスタマイズカーの「アクシス」が存在し、そちらにもGTターボをベースとしたグレードが用意されていた。
■ミニバンにSUV……とりあえず積んじゃう!!
1999年10月には、前年に登場していたスライドドアを備えた3列シートミニバンのプレーリーリバティのスポーティ仕様であるハイウェイスターの4WDモデルに230PSを発生するSR20DET型エンジンを搭載した「ハイウェイスターGT4」を追加設定。
スライドドアを備えたモデルとしては唯一のSR20ターボエンジン搭載車であったが、2001年5月のマイナーチェンジで車名がリバティと改められたタイミングでラインナップから姿を消している。
そして最後に登場するのが、2000年11月に登場した初代エクストレイルで、「GT」という4WDのグレードにSR20ターボエンジンが搭載されていた。
ただこのSR20ターボエンジンは、今までのSR20DET型ではなく、NEO VVLを採用したSR20VE型エンジンをベースとしたターボエンジンとなっており、最高出力は当時の自主規制値の280PSを発生しながら平成12年排ガス規制に適合したものとなっていた。
このエンジンは初代エクストレイルにのみ搭載されており、中にはシルビア系にこのVEヘッドを流用するチューニングを行っている人もいるほどの究極のSR20ターボエンジンとなっている。
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