マツダにあってスバルにない、スバルにあってマツダにないモノは!!?

マツダにあってスバルにない、スバルにあってマツダにないモノは!!?

 数ある国産車メーカーのなかでも、とりわけ自動車ファンに高い支持を得ているメーカーといえばマツダとスバルだろう。

 その個性的なクルマ作りや企業規模など、スバルとマツダには共通点も多いが、一方でそれぞれが異なる魅力を持っている。

 “似て非なる個性派メーカー”、マツダにあってスバルにないモノ、そしてスバルにあってマツダにないモノは? 自動車評論家、3氏の意見は以下のとおり。

 本稿では触れていない点も含めて、さまざまな尖った魅力を持つ点が、スバルとマツダの個性でもある。

文:鈴木直也、松田秀士、斎藤聡
写真:編集部、MAZDA、SUBARU
ベストカー 2019年7月26日号『特集 MAZDA VS SUBARU』より


「飛行機屋」の哲学と逆境に強いタフさ

東洋コルク工業(マツダの前身)は創業当時コルク栓などを作っていた。社名変更し1960年に発売した、R360クーペが最初の4輪車だった

 競争の激しい今日、このサイズの自動車メーカーが生き残るには、ほかのライバルにはない個性を備えることが必須。両社ともそこに注力したクルマ開発やブランド構築戦略に余念がない。

 スバルのキャラクターを決定づけているのは、中島飛行機にルーツを持つ“ヒコーキ屋”のバックボーンだ。

 現代のスバル車の原点は、1966年にデビューしたスバル1000だが、その生みの親となった百瀬晋六は中島飛行機のエンジニア。

 軽量化、安全優先、合理的構造など、“ヒコーキ屋”ならではのクルマ作り哲学がスバル党を惹きつける魅力となっている。

 一方、マツダのルーツは広島の工作機械屋。中島飛行機のようなエリートではないが、そのぶん新しいものを貪欲に取り入れるベンチャー精神が旺盛で、ロータリーのライセンスをいち早く購入し世界で唯一それをモノにするなど、粘り強い技術力も兼ね備えている。

 どうも、個性的なエンジニアを育む不思議な土壌がマツダにはあるようで、幾度もの経営危機を乗り越えてSKYACTIVテクノロジーで復活を果たしたのも、逆境に強いタフな技術者集団あってこそ。

 これは、スバルにもトヨタにもない、マツダならではの個性だと思う。

【鈴木直也】

「硬」のスバルと「軟」のマツダ

SGPを初めて採用した現行型インプレッサスポーツとマツダの先代型アクセラ。ボディづくりは特にスバルのこだわりが感じられる部分のひとつだ

 まず、スバルにあってマツダにないモノからいこう。それはボディ作りの技術力だ。

 これには理由がある。スバルは全車種(軽自動車を除く)が、水平対向エンジンの縦置きレイアウト。

 さらに、フロントにストラット式、リアにはダブルウィッシュボーン式のサスペンション型式を採用。

 ひとつのプラットフォームをセダン、ハッチバック、そしてSUVにまで幅広くアレンジしていることにも注目である。それゆえに衝突安全性と室内静粛性も高い。

 また、もとが航空機メーカーだったことから、視認性などの操縦安定性に対する考え方が深く、伝統を曲げない頑固さもある。

 これに対して、マツダはロータリーエンジンを世界で初めて量産したメーカーであるように、新しいものを開発してすぐに採用する気鋭のメーカー。

 アクセラに自社エンジンとトヨタ製ハイブリッドシステムをフィッティングして販売するなど、スバルには決してできないスピリッツだ。

 ただ、ボディ作りに関しては新型マツダ3で、「減衰節」という手法でボディの2次振動を抑えて静粛性を上げるなど、進歩も窺える。

 マツダはFRスポーツからFFそして4WDも作る技術を持っている。これはスバルにはない。もうひとつ、デザインにかける意気込みも。

【松田秀士】

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