起死回生!? 再起不能!? 「背水の陣」で挑んだクルマたちのその後

■スバルレガシィB4は海外市場を見据えたフルモデルチェンジが日本では仇になった!? 

起死回生!? 再起不能!? 背水の陣で挑んだクルマたちのその後
2014年10月に発売された、国内におけるレガシィB4の最終モデルは、スバルのフラッグシップモデルにふさわしい質感と機能性をバランスの取れた美しいデザインで表現

 “何よりも気持ちのいい走りができるクルマ”を理想とし、エンジンや車体をゼロベースで開発したレガシィの初代モデルがデビューしたのは1989年2月。

 その後、1993年10月のフルモデルチェンジを受けた2代目とともにセダンは設定されていたが、BOXERと4WDの頭文字を組み合わせたB4の車名がセダンに与えられたのは1998年12月に登場した3代目から。

 4WDロードスポーツをコンセプトに、スバル独自のコアメカニズムを採用して走りのクォリティと操る楽しさを先代から飛躍的に向上させて登場したB4。

 セダンに求められる居住性&快適性と走行性能を高いレベルで融合した高剛性エアロダイナミックボディに、縦置きの水平対向4気筒エンジン+左右シンメトリーのフルタイム4WDシステムを組み合わせてレガシィ特有の優れたハンドリング性能と走行安定性を実現。

 また、一部のモデルには電子制御により瞬時に前後のトルク配分を最適制御するVTD-4WDシステムを搭載した新開発のスポーツシフト(E-4AT)を採用するなど見どころも満点。

 その後に発売されたRS type B、ブリッツェン、RS30、リミテッドII、Sエディションなどの派生モデルとともに人気を博した。2003年5月に登場した4代目も2003-2004日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど高い評価を獲得したが……

 2009年5月登場の5代目は従来型に対して室内長、室内幅、室内高を拡大した大きめなサイズに変更され、続く6代目ではターボエンジンがラインナップから消えるとともにボディサイズが先代から全長が50mm、全幅が60mm拡大するなど、北米を中心とした海外市場を見据えたモデルに進化。

 これが完全に裏目に出たことに加え、国内のセダン市場規模縮小もあって2020年に販売が終了。5代目で“B4らしさ”を失ったことから人気を落とし、背水の陣で臨んだ6代目でも復権を果たすことはできなかった。

■S15型日産シルビアは人気復活こそ果たしたものの販売台数が伸び悩んだ悲運の1台

歴代最終となる7代目シルビア
歴代最終となる7代目シルビア

 史上空前の大ヒットを記録したS13型の後を受けて、1993年5月に鳴り物入りで登場した6代目シルビアのS14型。曲面を多用したスタイリングやK’s、Q’s、J’sの3つからなるグレード構成はS13型を継承したものの、3ナンバーボディへの移行が災いしてデビュー早々からセールスは伸び悩んだ。

 1996年6月のマイナーチェンジではシャープなイメージを前面に打ち出したビジュアルに一新されたものの功を奏さず、後継のS15型にバトンタッチした。

 通算7代目となるS15型が登場したのは1999年1月。S14型の肥大化した大柄な3ナンバーボディはS13型と同様に5ナンバーサイズに回帰してスリム化を図ると同時に、足回りやボディ剛性の強化もしっかりと行われたS15型。

 グレード構成も従来の3つから、ターボエンジンを搭載したスペックRと自然吸気エンジンを搭載したスペックSのふたつに変更された。そのなかでも圧倒的な支持を集めたのがMT車で250ps、AT車で225psを発生した2L直4DOHCターボエンジンを搭載したスペックRだった。

 走行性能の高さを物語る装備も充実そのもので、例えばクロスレシオ化や1~3速にトリプルコーンシンクロを適用した6MT、後輪を操舵させてレーンチェンジや旋回時の車両安定性を高める電動スーパーハイキャスパッケージ、直進安定性と旋回性のバランスに優れるヘリカルLSDなどはその最たるものだった。

 そんなS15型は人気復活を印象づけたが、当時はスポーツカーが衰退しつつあるのと同時にRVブーム真っただ中だった時代。そのため、販売台数は想像以上に少なく、販売期間の差はあれどS14型にも遠く及ばなかった。

 2002年に生産は終了となったS15型だが、FRのピュアスポーツが絶滅の危機に瀕する現代においては驚くほど人気は高く、中古車市場での平均価格も300万円を下らないほどだ。

【画像ギャラリー】再起を賭けたフルモデルチェンジを敢行したクルマたち(14枚)画像ギャラリー

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