「人々の暮らしを豊かに」と高い志を持つ自動車メーカーも、基本的には商売。さまざまな要因で経営危機の憂き目を見ることもある。そんな「メーカーの窮地」を救った大ヒット……いや、大ホームランモデルをメーカーごとに振り返っていこう!!
※本稿は2024年12月のものです
文:片岡英明(車両解説)、ベストカー編集部/写真:日産、ホンダ、マツダ、三菱、スバル、スズキ、ダイハツ初出:『ベストカー』2025年1月10日号
■さまざまなメーカーのピンチを救った「大逆転の一台」
クルマ業界を揺るがす出来事が次々と起こった2024年の冬。日産の経営危機の行く末は、クルマファンのみならず、日本中の人々が固唾を呑んで見守っている。また海の向こうのドイツでは、フォルクスワーゲンも深刻な業績悪化に苦しんでいる。
もちろん、当事者たちがこの状況に指をくわえているはずがない。きっと「クルマ屋ならクルマ屋らしく」と、持てるだけの力を注いで、起死回生を賭けた新モデルの開発を進めているはずだ。
そんな大ピンチのメーカーたちへ、我々もぜひエールを送りたい。VWなら初代ゴルフ、日産ならバブル期や2000年代初頭の名車たちのように、一打逆転のチャンスをモノにしたモデルが、どんなメーカーにも必ずある。そんなモデルたちを一挙紹介したい。
先人たちの奮起を思いつつ、どうか逆境を乗り越えて進んでいってほしい!!
【画像ギャラリー】一発ですべてをひっくり返せ!! 逆転ホームランでメーカーの危機を救った起死回生モデル(23枚)画像ギャラリー■3代目日産 マーチ(2002年)ほか……生まれ変わった日産を印象付けた
マーチは初代、2代目ともに長寿を誇り、日産の躍進に大きく貢献した。2002年に登場した3代目はキュートなデザインをまとい、12SRなどが新しいファン層の獲得にも成功する。8年で163万台を販売し、兄貴分のティーダやキューブも大ブレイク。新生日産を印象付けた。
■日産 初代シーマ(1988年)、初代セフィーロ(1988年)、シルビア(S13・1988年)……赤字に転落していた日産を救った
昭和末期に「ビッグカー」の時代を築いたフルサイズのプレミアムセダンがシーマ。パワフルな3L・V6・DOHCターボを筆頭に豪快な走りがウケ、「シーマ現象」を巻き起こす。
同じ時期に初代セフィーロやS13シルビアもヒットを飛ばし、日産は上昇気流に乗った。
■ホンダ シビック(初代・1972年)……4輪撤退の危機を救う
1972年に登場し、コンパクトカーの歴史を大きく変えたシビックは、革新的なエコカーでもあった。時代に先駆けてFFの2ボックス台形デザインを採用し、CVCCエンジンによって難関排ガス規制のマスキー法も世界で初めてクリア。RSも走り屋たちを魅了した。
【画像ギャラリー】一発ですべてをひっくり返せ!! 逆転ホームランでメーカーの危機を救った起死回生モデル(23枚)画像ギャラリー■ホンダ プレリュード(2代目・1982年)……憧れを現実に変えたクルマ
いち早く電動サンルーフやパワステ、ABSを採用して注目を集めたFFのスペシャルティカー。1982年秋に登場した2代目は格納式ヘッドライトを採用し、デートカーとして人気者になる。3バルブのCVCC-IIエンジンに加え、B20A型DOHC4バルブも登場した。
コメント
コメントの使い方イノベーションはすべて逆転ホームランで起こるものです。
みんなが乗ってる売れ筋大衆車ばかりに群がる日本人が、進化できない特殊な人種なのかもしれないぞ。
北米でバカ売れして日産を救ったV35が無いですね