2023年10月にマイナーチェンジを受けて登場したマツダ ロードスター。法規対策のための改良のほか、ステアリングフィールも向上。しかし改良前に「ロードスターの真骨頂」といわれた990Sもある。違いはどこ? どっちにしたらいい!?
※本稿は2024年3月のものです
文/松田秀士、写真/MAZDA
初出:『ベストカー』2024年4月10日号
■マイナーチェンジで大きく変わったポイントは?
まず電子プラットフォームをCX-60と共通の最新版に変更。2024年7月変更必須のサイバーセキュリティ法規対策のため。これによって前後ライティング(ウィンカー/ハザード含む)がすべてLED化。夜になると明らかに違う。センターディスプレーは最新のコネクティビティだ。
エンジンは約4psパワーアップしてスッキリ高回転だが、低騒音化を達成。これも法規対策だ。
電動パワステユニットの大容量化とフリクション低減を実施。制御マップもマツダ内製化でステアリングフィールが大幅進化した。他に最新のアシンメトリックLSDを採用している。
■改良新型は評価が高かった990Sよりいいの?
990Sに試乗した時はブチ感動したもの。あのオンザレール感。サスペンションから伝わるタイヤグリップの高質感。それをそのまま原稿に書いた……。990Sに飛びついたオーナーさん、ごめんなさい。私が悪いのではありません。
ステアリングの操舵フィールがより綿密になり、これまでニュートラル付近から切り始めた微小舵に少し迷い領域があったのだが、完全になくなりミリ単位の追操舵にフロントタイヤがリアルタイムに反応する。これはスゴイことです。
さらにリアの落ち着きが格段にアップ。990Sより明らかに高次元でコーナーに飛び込めます。
■ひらひら感ある走りを味わいたい人は、改良前がお薦め?
進化したレベルが高い新型だが、ロードスターはここまでやらなくちゃならないのか?という疑念も同時に湧いてくるのだった。
つまり、優秀になりすぎた。お利口さんはつまらんでしょ。今もなおE・Yazawaのファンが不滅なのも、どこかワイルドな不良感が漂うから。
つまりワイルドなエキゾーストの音質。調子に乗るとヤバいぞ、というくらいの適度なグリップ感。1.5Lエンジンのパワーにマッチしたハンドリングとグリップレベルだったわけ。しかし新型で明らかにハンドリングとグリップレベルが進化した。腕を磨きたければ改良前がお薦め。
●ロードスター(RS)主要諸元
・全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm
・ホイールベース:2310mm
・車両重量:1040kg
・エンジン:直4DOHC
・排気量:1496cc
・最高出力:136ps/7000rpm
・最大トルク:15.5kgm/4500rpm
・トランスミッション:6MT
・WLTCモード燃費:16.8km/L
・価格:367万9500円
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