■マツダ デミオ
●ちょっと心配……欧州車風でカッコイイけど、イマドキ背の低いスタイルって主流じゃなくない? 今はフィットがブレイクする時代なのにねぇ……、と心配する評論家も多かった。
●それでも売れたワケ……という大方の予想とは裏腹に、デミオは堅調に売れた。中途半端にカッコを追求して狭いのはダメだが、デミオは思い切りがいいと受け取られ、「クルマは実用性よりも個性」と考えるユーザーに受けたようだ。そして登場後4年を経て人気が下降し始めた2011年に、13-SKYACTIVを投入。フィットHVと同等の燃費で免税対象となり、人気も復活した。
■前評判覆し度……☆☆☆☆★(2012年の年間販売台数=5万7820台)
■トヨタ ポルテ/スペイド
●ちょっと心配……全高が1700mm近いコンパクトカーで、空間効率は抜群に高い。売れ筋路線だが、左側は先代型と同じく1枚のスライドドア。また価格は主力グレードが164万円とやや高めで、そこに不安要素があった。
●それでも売れたワケ……その後の販売実績は予想以上。スペイドだけでも充分に健闘し、ポルテも加えればフィットの台数に迫る。販売店では「ミニバンから小さなクルマに代替えするお客様と、1.3Lクラスからの上級移行が重なった」と言う。根底にはコンパクトカーの高人気があり、多様化するニーズを巧みに取り込んだのが成功の要因だ。
■前評判覆し度……☆☆★★★(2012年の年間販売台数=5万6706台)
■日産 ジューク
●ちょっと心配……そりゃやっぱり開発担当者も「好き嫌いがわかれるスタイルなんで……」と弱気になるほどの外観でしょ。いっぽう内装はやたらと凝ったデザインが採用されたが、逆にそれが「外観に自信ないの?」と思わされた。
●それでも売れたワケ……予想は200%の大ハズレ。ヒットの理由は年齢構成比にあり、発売直後は半数近くが50歳以上だった。この年齢層にはクルマ好きが多いが、近年のサイズが適度な車種はいずれも実用一辺倒。個性派の需要がジュークに殺到した。50歳を超えるとクーペでは気恥ずかしいが、普通のコンパクトカーは退屈。見て乗って楽しい小さめのクルマはまだまだイケる。ジュークはそれを教えてくれた。
■前評判覆し度……☆☆☆☆☆(2012年の年間販売台数=3万3648台)
■スズキ ソリオ
●ちょっと心配……スライドドアとレールはパレットから流用。全幅はパッソより狭く、全高が1700mmを超えるボディのため軽自動車のように見えるといわれた。それでいて価格は充実した装備によって高めと思われた。
●それでも売れたワケ……厳しいと思ったが着実に売れている。姉妹車のデリカD:2も人気を得た。理由はクルマの選ばれ方にメリハリが付いたこと。面白さを求めるならジュークのような個性派を選び、実用志向なら、見栄えに左右されず機能を確実に見極める。ソリオの高人気は市場が熟成された証といえるかもしれない。
■前評判覆し度……☆☆☆☆★(2012年の年間販売台数=3万8877台)
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