【CASE 04】 交差点で前が詰まっていることもあり、対向の右折車を先に行かせようと合図をしたところ、路肩をすり抜けてきた直進バイクと衝突
いわゆる「右直事故」。
対向車が右折車に道を譲ってくれた時、「譲ってくれてありがとう、迷惑かけないように早く曲がってしまおう」という気持ちが働くためか、安全確認が疎かになって譲ってくれた対向直進車のカゲから飛び出してくるバイクや自転車に気がつかない、というケースが多い。
また、慌てて右折したことで、曲がった先の横断歩道を渡る歩行者の確認が疎かになってしまうことも多い。
これ、譲った直進車も、早く曲がってしまおうと考えた右折車も『気遣い』の結果が危険な状況を生み出している典型だ。
【CASE 05】 高速道路。減速するような場面でもないのに、前を走るクルマのブレーキランプがしばしばしぱしぱ点灯。
一般道でも高速道路でも、数台前のクルマの状況、道路の状況を見ながらある程度この先の予測をしながらクルマを走らせているものだ。
少なくとも先々に明確な障害物などがない状況にもかかわらず、前走車のブレーキランプが点灯すると後続車はハッとする(前走車にしか見えていない「なにか」があると思うからだ)。
一度や二度ならまだしも、特に空いて流れのいい高速道路で前走車にこれをやられると、正直イラッときてしまう。
おそらく前走車のドライバーは、アクセルペダルから足を離すと同時にブレーキペダルに軽く足を載せるクセがあるのだろう。
実際、いろいろなドライバーの助手席に乗ると、そんなクセを持つドライバーは少なくない。
【CASE 06】 高速道路。前を走るクルマがスーッと加速したと思ったら今度はスーッと減速…
『一定速度を維持』できないドライバーは意外と多い。
そもそも道路にはアップダウンがある。一般道では周囲の風景が見えるため上り坂や下り坂がわかりやすいのだが、高速道路ではフェンスに囲まれていることもあり、案外とこのアップダウンがわかりにくいのだ。
ドライバーはアクセルペダルを一定の踏力で踏んでいるので『速度は一定』のつもりだが、緩やかな上り坂で徐々に速度が低下している、あるいは下り坂で速度が上昇しているということは多い。
上り坂での速度低下は事故の危険というよりも渋滞の原因となってしまう、というか、自然渋滞の原因としてはこれが最も多いのだ。
これを防止するには、速度計をこまめに確認することに尽きる。もちろんクルーズコントロールを活用することも効果的だ。
【CASE 07】 一般道でも高速道路でも、隣の車線で同じ速度で並んで走るクルマ。仲良しか。
なぜか隣の車線で等速度で並んで走るクルマが多い。真横というわけではなくても、斜め前だったり斜め後ろだったり、なんというか微妙な位置に居続ける。
それを嫌ってこちらがちょっと速度を上げると相手も追従してくる。速度を下げて先に行かせようとしても、向こうも速度を下げてしまう(たぶん「何か起こったのか」と思って行動を合わせてしまうのだろう。いやこちらにとってはあんたがその「何か」だよと)。
おそらく悪意はないのだろう。とくに高速では、単独で淡々と走るのを不安に感じるドライバーもいる。運転に不慣れであればその気持ちもわかる。
でも、お願いだから前でも後ろでもいいから20~30mは離れてほしい。不測のトラブルで緊急的に車線変更が必要になった時にスムーズに動けるスペースがほしいのだ。
* * *
いかがだったろうか。冒頭からの繰り返しになるが、一つひとつのケースは「迷惑をかけられた側」の視点に立って書かれているものだが、ぜひともここは「自分が迷惑をかける側になったりしていないだろうか」という目線で読んでみていただきたい。
難しいもので、たとえば時速60kmを「ちょっと怖くなるくらい速い」と思いながら運転するドライバーもいれば、「スピードの向こう側がオレを呼んでいる」とさらにアクセルを踏みたい気持ち満々のドライバーもいる。
個性が多様化した昨今においては、一つの状況に対する受け取り方もまさに千差万別だろう。
しかしだからこそ、なにかの状況が起こった時には、落ち着いて周りの状況をしっかりと把握してほしいし、願わくばご自身の判断の基準を「その場にいる一番の弱者」に置いて考えてみてほしい。そうすれば自ずと「最適解」は生まれるはずなのだ。
歩行者も含めて、「無事に家路に着きたい」と考えているのは、誰もが同じはずなのだから。
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